16発目
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修理の電話を終え、名無しさんとジェノスは正座を強いられていた。
勿論そう指示したのはサイタマである。
名無しさんは今度からドアをノックすること。ジェノスは家で暴れないこと。
そうルールを設けて、いつも通りの日常となる。
のんびりと、サイタマと名無しさんは漫画を読みジェノスはサイタマを見てノートを取っていた。
そして、ノートから顔を上げふとしたことを言う。
「C級ヒーローの場合一週間ヒーロー活動しなかった場合はヒーロー名簿から除外されるって言ってましたが先生は大丈夫なんですか?」
ジェノスの発言に、サイタマはあんぐりと口を開けた。
まるでクビを言い渡された社員のようだ。
名無しさんはそんなサイタマの様子も気にせず、ヒーローって大変だなぁとのんびり思っていた。
普段着からスーツに早着替えをし、血相を変えて出ていった。
鍵もかけずに出て行っていいのだろうか、と名無しさんは心配したが盗む物もないから大丈夫か。
耳鳴りするほどの静寂が包む。
ここには名無しさんとジェノス2人っきりだ。
「若い男女が家に2人っきりとか何もないわけがない」
「貴様の脳みそはどういう作りになっているんだ?」
心底不快そうな顔で言う。
しかし気にしないのが名無しさんだ。視線を漫画のコマから外さない。
ジェノスは考えていた。
本当にこれを言っていいのだろうか? そう悩んでいる。
そして覚悟を決めたように、ノートを閉じた。
「……本当はこんなこと頼むのは屈辱だが」
「何でよ。そんなに私が嫌いか」
ジッと名無しさんを見つめている。
ジェノスがそんな風に見つめるものだから、流石の名無しさんも漫画から目を離す。
何を言いたいのだろうか。
少し時間が経ってもジェノスは口を開こうとしない。
キュィィィンという機械音だけが鳴っている。
そして覚悟したように口を開いた。
「俺に、料理を教えて欲しい」
「ブォエエエエ?」
ジェノスの発言に、名無しさんは体中の空気が外に出るようだった。
ジェノス君が? 私に料理を教えて欲しい? どういう事?
衝撃発言に暫く言葉が発せなかった。
そんな名無しさんをよそに、料理を教わりたい理由を話している。
住まわせてもらうのだから家事全般をできるようになりたい。
ほとんどは説明書を読めばできるが、料理だけはどうにもならないそうだ。
それはレシピ通りに作っていないのでは? と言いたいところだが、黙っておいた。
偉い。偉すぎる。次に名無しさんが思ったのはこうであった。
「偉いねぇ、私んち来る?」
「貴様と住むなど考えるだけで怒りが湧いてくる」
「口が達者になりましたなジェノスくん」
「いいからさっさと教えろ」
ジェノスが立ち上がり、エプロンを付けた。
そのままキッチンへと向かっている。
名無しさんもやれやれ、と漫画を置き立ち上がった。
しかない、教えてやるとしよう。
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