98発目
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「とうちゃーく!」
「おし」
地球には宇宙を眺める暇もなく、到着した。
ドサリ、と荷物のように降ろした名無しさんに文句を言うのはサイタマであった。
ガロウは立ち上がる気力が無い。
意識はあるが、立ち上がる気力も無かった。
「名無しさん、ありがとうな」
「いえいえ」
「あのガキの約束を破るところだった」
サイタマの視線が名無しさんからガロウへと移る。
既にガロウの顔は人間そのものになっていた。
「あのガキの遺言が、お前を殺さないで止めてくれだったから」
「ゆ……遺ご……?」
サイタマの言葉に違和感が。
"遺言"それは、どういう意味だ?
視線を横に向ける。
そこにはタレオがうつ伏せで倒れているのが見えた。
「ウ……ウワアアァ」
絶叫。
自分の声までもが震えている。
叫びながら、気力が無い脚を引きずりながらタレオから離れる。
力の無い脚のせいで、瓦礫に躓き盛大に転んでしまった。
涙が止まらない。
自分が、弱いせいで、こんなことに。
「……」
そんな様子を、名無しさんはオロオロと見ていた。
まさかこんなシリアスな展開になるとは思っておらず、自分が場違いだと思ったせいだ。
いつの間にかボロスもいなくなっている。
することが無い名無しさんは黙って存在を消そうと踏ん張った。
「おい名無しさん」
「はぅッ」
「ガロウが呼んでる」
まさか自分もこの展開に巻き込まれるのか。
おそるおそる、ガロウのもとへ行く。
「……頼みがある」
ガロウにそういわれたので、名無しさんは勿論頷いた。
先輩として、後輩の言うことは聞いてあげるのが当たり前。
無い胸を張って、どんとこい! といった。
「「コピー?」」
サイタマと名無しさんの声が被る。
真似っコ武術をやれ、とガロウは言った。
やれば分かるから、と言って真剣に名無しさんを見る。
「お前ならオレの術理をコピーして更に上回れる筈だ」
ガロウが説明するが名無しさんの頭の中には何も入ってこない。
とりあえず、ガロウ君の真似をすればいいことは分かった。
だが、まぁ。
「面倒だからサイタマがやればいいじゃん」
「お前なぁ……俺がフルチンになってもいいのか」
「やだ。サイタマのタマなんか見たくない」
「なんかって何だなんかって」
「聞け!!」
2人がワイワイ話すものだから、ガロウはストップをかける。
改めて2人の関係が見て取れた。
あの力を持って、まともでいれるのはあの弟子のおかげかと思ったが。
それだけではないようだ。
ガロウが構える。
そして名無しさんも同じポーズをした。
どこからともなく、風が吹く。
"黙れ。没収だ"
「!」
ガロウの足元が白くなっていく。
その白さはまるで石のよう。
「ガロウ君!」
「集中しろ! あとオマエもやれ!!」
ガロウがサイタマに向けて言う。
サイタマは、全裸になりたくないからこそ名無しさんに頼んだのにと思った。
2人だからこそできる技。
「お前らが倒すのは、不吉な未来だ!」
ガロウが完全に白くなるのと、2人が時間を逆行するのは同時だった。
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