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≪――お嬢様、ルヴィリアスお嬢様!≫
雲の上にある城から外へ出てきたのは、まだ6歳になったばかりの幼い次期女神の天使の少女――ルヴィリアス・ヴィネ・エステレラと、一本の幻のソーディアン――星のシリウスだった。
まだ小さな翼の生えたその少女の腰には赤茶色の鞘が刺さっており、その中にシリウスは入っている。
そのシリウスの主を呼ぶ声が聞こえてくるというのに、少女は鞘の方を向きながら下の町への階段を下りるのを止めない。
『なぁに?シリウス』
≪なぁに?――ではありませんわ、こんな大変な時に!最近、"闇"が出てきたと言われているでしょう?≫
『うん、おとうさまに聞いたよ。それがどうしたの?』
≪それなのに勝手にお部屋を飛び出されるなんて……神様が何と言うか……≫
『へいき。だって、いざとなったらシリウスが守ってくれるから……ねっ?』
≪はぁ……わかりましたよ。また一緒に叱られましょう≫
『うん。ありがとう、シリウス』
シリウスは少女の儚げな笑顔に負け、軽く大きなため息をついた。しかし、相変わらずの主の明るさに安心しているようにも見える。
すると、階段を降り終わろうとする時、少女は何かに捕まれ空中に浮いた。
『えっ?きゃぁあっ!!?;;』
≪お、お嬢様っ!!;;≫
正しくは三人の男達に囲まれ、その中の一人に捕まれている状況だ。
サッサと少女は三人組に人気のない場所へ連れていかれ、とある建物の裏に来ると、ようやく男達が口を開いた。
?「――テメェが次期女神サマだな?」
?「オレ達の計画に協力してもらうぜ!」
『なんですか?貴方たち……』
≪お嬢様っ!この者達が例の"闇"ですよ!≫
『えっ、この人たちが?』
シリウスの言葉に驚いていると、男は顔を合わせて首を傾げる。シリウスの声は神と主であるルヴィリアスにしか聞こえないのだ。
闇1「こいつ、誰と喋ってんだ?」
闇2「さあ?だが、そんなの関係ねぇ!ただこいつを捕まえて、"アレ"をすりゃあいいんだからよ!」
闇3「さて、オレ達と来てもらうぜ」
『イヤです』
闇2「何っ!?」
『おとうさまが言ってました。しらない人についていってはいけない……と。だからダメです。神のいうことはぜったいなんですから』
凛とした少女の声に少し戸惑いながらも、男達は強引に少女の腕を引っ張ってくる。
闇3「フン、威勢のいいお嬢ちゃんだな。だが、そんな甘い手に乗っかかるようなオレ達じゃないぜ!さあ、来な」
『い、イヤ……ですっ!離してくださ……――っ』
ルヴィリアスが慌てて手を払おうとすると、ドスッという音が響き渡った。男の一撃で気を失ったのだ。
気を失った少女の身の危険を感じ、シリウスは大声で叫び出す。
≪ルヴィリアスお嬢様っ!貴様等、お嬢様を離せっ!くっ……!!≫
闇2「チッ、噂通りの"聖なる心"の持ち主だな……だからムカつくんだよっ!」
闇3「よし、連れてけ―っ!」
≪お嬢様っ!お嬢様ぁっ!!≫
しかし、やはりソーディアンの声が凡人に聞こえるわけがなく、ルヴィリアスは呆気なく連れていかれてしまった。