プロローグ
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……ということで、彼女の為に六神将達は食堂に集まった。
だが、折角の食事の時間がヴァンからの呼び出しで台無しになり、みんな不機嫌だ。
デ「なんなんですか?ヴァン、リグレット。急に私達を呼び出すなんて」
ヴ「すまん、今から紹介したい子がいてな。六神将補佐になるんで顔合わせに」
ヴァンがそう言うと、彼を不機嫌そうに睨む六神将達。
まぁ、これくらいではヴァンも彼女もビビりはしないだろう。
(ま、とにかく挨拶くらいはしておくか。
――かと言って、やはり人前は苦手だな……)
彼女は、隣にいるリグレットの服の裾を掴み、後ろに隠れながら口を開いた。
『……初めまして』
「「「……!!/////(可愛い//////)」」」
彼女を見るなり、全員黙り込んで頬を赤く染めた。
幸い全員幼い少年だと思ってくれているが、これも不幸中の幸いか、全員目の前の謎のフードの少年に一目惚れだ。
一方少女の方は、すっかりリグレットに懐いてしまっている。
リグレットは姉御肌があり面倒見もいいし、人見知りの彼女にとっては最適だろう。
ヴ「それより、お前達に集まってもらったのは他でもない。この子の名前の事だ。彼には事情があり名前がない」
アリ「名前が無い……?可哀そう……」
リ「だから、彼の名前を皆に付けてもらいたいのだ。名前が無いと色々と面倒だろう?」
リグレットがそう言うと、一同は無言になる。
あまりにも彼女が可哀そうだからだろうか。それとも、他に理由があるのか……。
そんな中、アリエッタを始め、六神将達がふと思いついたものを呟きだした。
アリ「アリー……とか……リエルでもいいかも……!」
ラ「ラル?いや、ルーラか?」
ア「ラルゴ、それは別世界に行くからやめておけ;
俺はアユがいいと思うが……」
デ「おやおや、楽しそうですねぇ……。それでは、敢えてネイで」
リ「お前ら、名前付ける気あるのか?;」
シ「自分の名前から付けようとしないでよね、しかもどれもダサいし……」
次々と名前の案を出していく六神将達に、リグレットとシンクが呆れながらツッコミを入れる。
これだこれだと揉める一同を見て、少女はもう諦めがついたのか、はぁ……と溜息をついた。
すると、呆れてずっと黙っていたシンクが、ハッと何かを思い出したように呟いた。
シ「――"ヘル"…………」
『――!』
シ「どう?悪いけど適当だよ」
少女は目を大きく開き驚いている。
フードを被っている為、周りには口くらいしか見えないだろうが……。
少女は、その名前がとてもいい響きだと感じた。
『……いいね、それ。気に入った』
「「「!!」」」
シ「え……」
シンクは思ったより驚いている。本当に適当だったのだろう。
だが、少女はそれでもこの名前がいいと思った。自分になんとなく合っているような気がしたのだ。
リ「ヘル……古代イスパニア語で"漆黒なる謎"か。少年にピッタリだな」
リグレットがそう呟くと、ローブをキュッと握っていた手を放し、胸に手を添えた。
『僕はヘル……
――宜しくな』
これが、彼女――ヘルの誕生。
まだ未知で、空っぽで、役立たずの彼女だが、もう彼女はレイではない。
ヘル――これが、今日から彼女の名前……。
この世界が彼女を生かそうとしているのなら、彼女は"ヘル"として生き、"ヘル"として死ぬだろう。
それが、彼女の