第三章
夢小説設定
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レイとルーク達一行は、ヴァンのお陰でカイツールを抜けることができた。
親書をファブレ伯爵に届ける為、一行はどんどん前へと進んでいく。
ミ「あっちがご主人様の国ですの?」
ル「んぁ~やっと帰れるぜ!」
ガ「とは言っても、軍港から船に乗って海を渡らないと、バチカルには着かないけどな」
ル「えぇー、まだそんなにあるのかよ……」
背伸びしながら嬉しそうに歩くルークだったが、ガイの言葉に少し気力を無くした。
レイはそんなルークにニッコリ微笑んで、元気づけようとする。
「頑張りましょう、ルーク。もう少しです」
ル「これのどこがもう少しなんだよっ!」
「現にこうして歩いていますから、近づいてきているという事実に変わりないのでは?」
ル「案外、お前もイヤミな奴だな……」
イ「あははっ(笑)」
そんな二人のやり取りに、イオンだけが笑いを起こしていた。
その後ろでティアが悲しそうな瞳をしている事にも気づかずに――。
***
一行が暫く歩いていると、カイツールの軍港に辿り着いた。
青い海に浮かぶ船――森に住んでいた為にそれらを見たことがなかったミュウは、嬉しそうにルークに話しかける。
ミ「ミュウ、海も船も初めてですの!嬉しいですの!」
ル「あぁーもう、うっぜぇなぁ!少し黙ってろって言って――」
ルークがそうやっていつものようにミュウに怒鳴ったところだった。
ドッカーン!!!
ル「――ん?」
急に爆発音が軍港中に響いた。
一向は驚き足を止め空を見上げると、黒々とした嫌な煙がモクモクと上っているのが見える。
ガ「あれは……っ!?」
ガイが声を上げると同時に、一行はその煙の方向へ走り出した。
その場へ着くと、多くの兵士が横たわっているのを見つけた。かなりボロボロにやられているが、幸い命に別状はなさそうだ。
ジ「――……っ!先回りされたかっ!?」
ガ「おい、しっかりしろっ!一体誰が……」
兵「……ま、魔物が……襲ってきて……」
ガ「……魔物?」
近くに横たわっていた兵士の言葉にガイは首を傾げる。
「っ!まさか……」
しかし、"魔物"という言葉でレイは一人――よく知っている人物が関係しているのではないかと予測した。
そう――それは、レイの予測通りの出来事だった。上空に魔物に乗った少女が一人、一行の目によって確認される。
――妖獣のアリエッタ。六神将の一人で、かつてイオンの
ル「あれは、タルタロスにいた……!」
アニ「ちょっとネクラッタぁっ!何でこんな事するのぉっ!?」
アリ「アリエッタ、根暗じゃないもんっ!アニスの意地悪っ!!」
普段内気な彼女だが、アニスに"根暗"と言われたことに癇に障ったのか、かなり怒った様子で叫ぶが、そこへヴァンが割り込むように怒鳴った。
ヴ「アリエッタ!誰の許しを得てこんなことをしている!」
アリ「総長……!ごめんなさい、アッシュに頼まれて……」
ヴ「!」
アリエッタの言葉に、ヴァンは大きく目を開く。今回のことはヴァンがアッシュを動かしたわけではないようだ。
アリ「船を整備できる整備士さんは、アリエッタが連れて行きます……返してほしければ、ルークとイオン様がコーラル城へ来い!――です……!」
アリエッタはそれだけ言い残して、整備士を連れて行ってしまった。
***
テ「助けないって……!」
ヴ「イオン様とルークを危険な目に遭わせるわけにはいかない」
(嘘つけ、本当はそんなこと思ってない癖に……)
ヴァンの言葉に反応し、レイはヴァンを強く睨む。彼もヘルと同じく、自分自身を創り上げた元凶であるヴァンに対して熱烈な恨みを持っていた。
アニ「でもでもぉっ!船を整備できるのって、浚われた整備士さんだけなんでしょぉ?」
ヴ「訓練船がもうすぐ寄港する予定だ。それに乗って帰ればいい」
イ「ですが……それでは、アリエッタの要求を無視することになります」
「ヴァン、イオン様の言う通りです。それに、一つの要求で一人の人間が死ぬかもしれないんですよ……?」
ヴ「今は、戦争を回避する方が重要なのでは?」
イ・レイ「「……」」
反発するイオンとレイだったが、ヴァンの一言によって何も言えなくなってしまう。
ヴ「アリエッタの事は私が処理する。船が来るまで、ここで待機してもらいたい」
それだけ言い残し、ヴァンはその場を立ち去っていった。
ミ「浚われた人どうなるんですの?助けてあげないんですの?」
ル「うっせぇなぁっ!ヴァン
いつものようにミュウに怒鳴りつけるルーク。
そこへ、ガチャっと借りていた小屋の扉が開き、一行はそちらへ振り返った。そこにいたのは、この軍港の隊員らしき二人の人間だった。
隊1「導師イオン!お願いします……」
隊2「どうか導師様のお力で、隊長を助けてください!」
隊1「今年の生誕
隊2「お願いします、どうか……」
イ「わかりました」
「「おぉっ!!」」
イオンの招致に、二人の隊員の表情が明るくなる。ここまで聞けば、世話好きのイオンにとってはもう招致せずにはいられないのだろう。
ジ「宜しいのですか?」
イ「アリエッタと話して、人質を解放してくれるよう説得してみます」
「そうですね。イオン様が行くなら、僕も同行しましょう」
イ「ありがとう、レイ」
テ「それなら、私も同行します」
ル「冷血女が珍しい事言って……」
テ「大きな災いは取り除かれると
「……」
やはり、"預言"という言葉には反応してしまうレイだったが、ティアがなぜそこまでして自分達に着いてくるのかを察しているようでもあった。きっと、"自分達"ではなく、"ルークに"という方が正しいのではないかと……。
テ「……それに…………」
ル「……それに?」
テ「!――なんでもない」
ルークは首を傾げるだけで対して気にはしなかったが、レイはもう既に察しているようだった。
そこへ、アニスやガイも名乗り出る。
アニ「イオン様とレイ様が行くなら私も!」
ガ「オレも行く」
ル「ガイ!」
ガ「行き先がコーラル城ってのが気になるんだ」
ル「どういうことだよ」
ガ「……7年前、誘拐されたお前が見つかった場所なんだよ」
ル「えっ!?」
このガイの発言によって、全員でコーラル城に向かうことになった一行。
果たして、ルークの誘拐の謎は解けるのか……。そして、レイはヘルに会い、彼を救うことができるのか……。
謎はまだまだ深まるばかり――。