第三章
夢小説設定
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レイ達一向は、宿の一つの部屋を借りて、ヴァンと話をしていた。
イ「モースが戦争を望んでいる以上、僕はそれを見逃すことができなくて……」
ヴ「成程、それでイオン様はダアトの教会から姿を消されたのか……」
イ「すみません、ヴァン。僕の独断で迷惑をかけてしまって……」
シュンとした表情でヴァンに謝罪するイオンに釣られるように、レイもヴァンに軽く頭を下げた。勿論、本心ではないが。
「……僕からも謝罪致します。イオン様を
ヴ「二人とも顔をお上げ下され。私の事は構わんのですが、六神将が動いてるとなると……」
テ「――兄さんが彼らを差し向けたのでしょ!?どうして平和を望むイオン様の邪魔をするの!?」
ル「おいっ!
ヴァンに食い掛るティアを、ルークがヴァンを庇うように軽く睨む。
しかし、ヴァンは気にも留めていない様子で首を横に振る。
ヴ「良いのだルーク、そう思われても仕方がない。六神将は私の部下だが、彼らは大詠師派でもある……恐らく、大詠師モースの命で動いているのだろう」
テ「そんなはずないわ。モース様は本当に平和を望んでいる!だからこそ私に捜索を――!」
ル「お前こそモースって奴の回し者なんじゃないのか?」
テ「……私は…………」
ヴ「大詠師の命で捜索しているもの……第七譜石か?」
「「「!!」」」
ヴァンの一言に、一同は目を思いっきり開く。勿論、レイも……違う意味でだが。
すると、相変わらず箱入りなルークが首を傾げた。
ル「第七譜石?なんだそれ?」
アニ「ありゃー……」
ジ「……ゴホンッ」
ガ「箱入りすぎるってのもなぁ……」
ル「な、なんだよ……そのバカにしたような顔は!?」
ルークの発言にその場の全員が苦笑いをしてルークに目を移すが、レイはイオンと出会った頃の自分を思い出し、彼を優しく微笑んだ。レイも二年前まではこうだったからだ。
言葉や話し方など――日常的に知らなければいけない知識は生まれつき頭の中に入っていた。それは、
人一倍のお人好しで優しいレイだから、彼は昔の自分と重ねて思えたのだろう。
「ルークさんは外の世界に初めて出られたのですから、知らなくても仕方がないですよ。第七譜石についてご説明しましょうか?」
ル「いいのか?レイは頼りになるぜっ!頼む!」
ニコニコとするルークの笑顔がつい可愛らしく思えて、レイは微笑みながら説明を始めた。
「はい。第七譜石は、始祖ユリアが二千年前に詠んだ
ただ、大嫌いな言葉の説明に、自分自身の腹黒い一面を見せながら。
ガ「な、なんか最後凄いド黒い言葉が聞こえたような……」
アニ「レイ様は、第七譜石とか
「アニス、余計な事は言わなくていいですよ。それと、僕が嫌いなのは大詠師モースだけです。預言が嫌いなわけではありません」
レイのそんな意外な言葉に、大詠師派のティアまでもがどうも怒れず苦笑いをしていた。
ル「そ、そうなのか……でもとにかく、七番目の預言が書いてあるのが第七譜石ってことなんだな?」
「ええ、よく理解できましたね。偉いですよ、ルーク^^」
ル「えへへ……ありがとな、レイ!//」
レイがルークの頭を微笑んで優しく撫でてやると、ルークは少し顔を赤くしながらニコニコ笑顔で照れ笑いする。
ガイはそんなルークの様子に驚き、目を大きく開いていたが、アニスとイオンはルークを羨ましそうに見ていた。
アニ「レイ様ぁ~♡後でアニスちゃんの頭も撫でてくださいねぇ~♪」
「ええ、わかりました」
イ「……レイ」
「なんですか?イオン様。もしかして、妬きました?」
イ「ええ、思い切り妬きました」
「えっ?;;」
イ「レイ、後で僕の頭も撫でてくださいね?」
「え、えぇ……それは構いませんが……;;」
にこやかなイオンに少し冷や汗を掻き、暫くそっぽ向かされることになったレイだったが、そんなイチャイチャ子供組を差し置いて、ルークが話を戻す。
ル「んで、それをティアが探してるってのか?」
テ「さぁ、どうかしら」
ヴ「まぁいい、とにかく私はモース様とは関係ない」
ル「そうだな、
ヴ「六神将にも余計なことはせぬよう命令しておこう。効果の程は分からぬがな……」
ヴァンがそう言い席を立とうとしたところで、レイが我に返りヴァンの方へ目線を向けた。
「……ヴァン」
ヴ「なんでしょう?純白騎士レイ」
「……六神将にいた黒きローブの少年も、大詠師派なんですか?」
六神将にいた黒きローブの少年――それは恐らく、"漆黒のヘル"……レイと同じ純白騎士のレプリカだ。
ヴァンは彼女が女性だと知っているので、"少年"という言葉に少し違和感があったが、六神将の"黒きローブ"と言われれば彼女くらいだろうと理解した。
ヴ「ヘルの事か。彼は導師派だが……それがどうかしたのか?」
「!――いえ、なんでもありません。ただ、少し気になって……」
ヴ「……」
ヴァンの言葉に、少し安心を見せるレイ。
しかし、ヴァンは何故かレイをじっと見ていた。この期に及んでまだヘルを娘のように思っているのだろうか。
そこで、ヘルを知らないルークが再び首を傾げてきた。
ル「ヘル……って誰だ?」
テ「漆黒のヘル――六神将の一人よ。
ガ「噂では真っ黒なローブで顔が隠れていて、闇系術と剣の使い手の幼い少年って聞くけど……そいつは導師派?敵じゃないって事か?」
ル「それで"漆黒"か……なんか極悪魔王って感じしかしねぇな」
「……」
好き放題に言う一同だが、レイはヘルがそんな極悪な敵だとは思えなかった。
レイ(もし、本当に彼が導師派だというのなら、彼を助けてあげられないだろうか……なんだか彼からは、とても懐かしい感じがしたから……――助けてあげたい。救ってあげたい。彼が纏う闇から、守ってあげたい……)
生き別れの兄弟になったような、そんな不思議な気持ち……それが彼に解るのは、まだまだ先のお話――。