第三章
夢小説設定
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「イオン様!」
レイは、タルタロスから少し離れた広野の中で、イオン達一同と合流した。一人増えているような気もするが。
レイがイオン達に手を振って駆け寄ると、イオンが嬉しそうに手を振り返してくれた。
イ「レイ!良かった、無事みたいですね!」
「遅くなってしまいすみません、イオン様。皆さんも……途中でちょっと手こずってしまいまして(汗)」
そうやっていつものように苦笑いするレイに、一同はホッと胸を撫で下ろした。
彼も敢えて心配させない為に、漆黒のヘルに命を狙われたことを黙っているのだ。
すると、先程から気になっていた金髪の青年へと目線を移した。
「それで……見ない顔があるようですが、そちらの貴方は?」
ガ「オレはガイ・セシル。ファブレ公爵家の使用人だ」
ル「オレの幼馴染なんだよ」
「そうだったのですね。僕は
ガ「ああ、宜し……ってうわぁっ!?Σ;;」
「?どうかなさいましたか?」
握手をしようと歩み寄ってきたレイから、フェードアウトするように離れていくガイ。
その様子を見て、ルークはいつもの事だと言わんばかりに苦笑いした。
ル「ガイは女嫌いなんだよ」
テ「私も避けられましたから、安心なさってくださいね。純白騎士レイ様」
「は、あの……僕は……」
どうやら、レイは一同に女性だと勘違いされていたようだ。
彼が本当のことを伝えようと苦笑いすると、イオンが珍しく大笑いした。
イ「あははっ!ははっ!レイは男ですよ、皆さん」
ル「へぇー!こいつ男なんだ」
ルークが軽くそう聞き流すと、一同の間に沈黙が流れた。
「「「えぇっ!?男!?」」」
そして数秒後、ジェイドとイオン以外の一同が大声で驚き叫んだ。
ポカーンとする一同の中、ティアだけが顔を赤らめてレイを見つめていた。
テ「そうだったんだ……(でもカッコいい……♡)」
そんな会話が終わり、ガイが律儀に握手しながらレイに誤っていた。
そこで、ジェイドがレイに歩み寄ってきた。
ジ「まあともかく、無事でなによりです。早速ですがレイ、カイツールへ向かいますよ」
「カイツール?でもあそこは旅券が無いと……」
ジ「そこは何とかなるでしょう。さあ、早くしないと置いていきますよ」
「はいはい、わかりましたよ……;;」
レイは苦笑いをして、一同と共に、国境の砦カイツールへ向かった。そこが、アニスとの合流地点だ。
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アニ「――証明書も旅券も無くしちゃんたんですぅ~通してくださぁい、お願いしますぅ~」
兵「残念ですが、お通しできません」
アニ「ふみゅ~……」
こちらは、国境の砦カイツール。
アニスはあの後タルタロスから追突したが、ほぼ全く無傷でこの合流地点へ辿り着いていた。
アニスは見張りの兵士に説得をつけるが、兵士は通してくれず、トボトボと元来た道に戻ろうとしていたのだが――。
アニ「――……月夜ばかりと思うなよ…………」
そこへ丁度辿り着いた一同に気づかず、後ろにいる兵士を強く睨むアニスに、イオンが声をかけた。
イ「アニス、レイに聞こえちゃいますよ?」
アニ「んあ?
――きゃわーん♡アニスの王子様ぁ~♪レイ様ぁ~♡ご無事でなによりでしたぁ~♪」
アニスはレイに思いっきり抱き着いてきた。レイは細身の体でガシッと支えたが、かなりフラフラとしていて危なっかしい。
イオンはそれを軽く睨んでいるように見えたが、それは気のせいではなかった。
ガイはそっと後ろを向いて、アニスをチラッと見る。
ガ「お、女って恐ぇ……」
ル・テ「「……;;」」
ルークとティアも、流石にガイに同情できた。そして、アニスに抱き着かれても全く嫌がろうともしないレイを、少し尊敬していた。
「僕も心配していたんですよ?イオン様やジェイドに、タルタロスから墜落したって聞いて……」
アニ「そうなんですぅ……アニス、ちょっと怖かった……テヘヘ♪」
イ「そうですよね。
――『ヤローテメェーぶっ殺すっ!』って、悲鳴上げてましたものね」
「い、イオン様?;;」
アニ「イオン様は黙っててください!💢」
顔を真っ赤にして怒鳴るアニスだが、レイはそんな事よりも、イオンが暴言を吐いたことにかなり驚いていた。
それを誤魔化すように咳払いすると、レイはいつものようにアニスに優しく微笑んだ。
「……ゴホンッ、とにかく無事でよかったです」
ジ「ところでアニス、親書は?」
アニ「ちゃんと持ってますよぉ~♡」
イ「ありがとうございます、アニス」
アニ「えへへぇ~♡イオン様も無事でよかったです♪」
イオンとレイが、照れ笑いするアニスに和んでいるところで、ティアが口を開いた。
テ「ところで、どうやって検問所を越えますか?私もルークも旅券がありません」
ガ「心配いらないみたいだ。お迎えが来てる」
ル・アニ「「?」」
ガイの言葉に一同が検問所の方を見ると、向こうの方からヴァンが歩いてこちらへ近づいてくるのが見えた。
ル「ヴァン
嬉しそうにヴァンに駆け寄るルーク。レイは、彼に突き飛ばされたアニスをキャッチし、ぎこちなさそうにヴァンを軽く睨んでいた。
それはそうだ。自分やイオンを創り上げ、彼にとって姉弟も当然である何体もののレプリカを捨てた張本人であるヴァンが現れて、いい気分ではないだろう。
テ「……ヴァンっ!!」
しかし、それはヴァンの妹であるティアも同じだった。ティアはヴァンの前で武器を構える。
ティアは思わんばかりの殺気を立て、今にも斬りかかりそうな目でヴァンを睨みつける。
ヴ「ティア、武器を収めなさい。お前は誤解をしているのだ」
テ「……誤解?」
ジ「ティア、ここで騒ぎを起こされては困ります」
ジェイドのその言葉でふと前を見ると、見張り番の兵士が二人、こちらを見ながらコソコソと話している声が聞こえてきた。
ティアはそれを見て我に返り、ヴァンを睨んだまま武器を収めた。
そして、ヴァンの提案によって、宿屋で話をすることになった。