第二章
夢小説設定
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「――……しかし、参りましたね。ジェイド達どこへ行ったんだろう……――ん?あれは……」
レイがタルタロスの中を走り回っていると、六神将の黒獅子ラルゴが倒れているのを見つけた。彼はラルゴに駆け寄ると、脈を確認する。幸い、傷は何者かに塞がれているので大丈夫そうだ。
ホッと一息つき、安心していると、後ろからカチャッと剣を抜くような音が聞こえた。
その方へ振り向くと、黒きローブの少年が、殺気を立てながら剣をこちらに向けていた。
『初めまして、純白騎士レイ……いや、そのレプリカさん』
「き、キミは……?」
レイは、恐らく自分と同い年くらいのその少年を見つめながら、腰に刺した剣に手を添える。
ローブのせいで顔は見えないが、なんとなくその少年が自分を殺そうとしていることが分かった。
『お前なんかに名乗る名は無いね。お前は今ここで、僕に殺されるんだからさ』
「へぇ……僕も相当憎まれたものですね。この腐った世の中に……」
少年は再び剣を構え、戦闘態勢に入る。それを見て、レイも同じように戦闘態勢に入った。
すると、倒れていたはずのラルゴが、『止めろ』と言いながら起き上がった。
ラ「ヘル……止めろ……!お前はシンクと違う調査に向かっていたはずだ。どうしてここにいる?」
『ラルゴ……チッ、一生そこで寝てたらいいのに。空気を読めない奴だな、お前は』
ラ「それにしては、しっかりと手当てをしてくれたようだな?」
『煩い!さっさと本部に戻るぞ!💢』
ラルゴにヘルと呼ばれた少年は、少し怒ったような、照れているような様子で、さっとその場を立ち去ろうと走り出した。
すると、少し離れた場所でレイの方へ振り向いた。その反動で、チラッとレイと同じ綺麗な紫色の瞳が見えたような気がした。
『――……お前達が企んでいることは全てお見通しだ。僕にとって邪魔な動きをするようであれば、容赦なく殺すよ。この僕――漆黒のヘルがね……大切なお仲間さんに、そう言っておくんだな』
少年はそれだけ言うと、ラルゴとともに姿を消した。
レイは彼の後姿を見て、不思議そうにポツリと呟いた。
「――漆黒のヘル…………」
なんだか懐かしいような、彼の何かを知っているような――そんな気がした。
*******
一方、ヘルは本部へ戻ると、不機嫌なシンクに怒られていた。任務中に突然消えた彼女をずっと心配していたのだ。
シ「――全く、本当にどうかしてるねアンタは!純白騎士レイとの接触は禁じられてるとか言ってなかった!?」
『……ごめん』
珍しくシュンとするヘルに、シンクは少し可愛いと思いながらも、はぁ……と溜息をついた。
シ「……はぁ、気を付けてよね」
『別にいいでしょ、ちょっと出かけるくらい……それとも、シンクは僕を心配してくれてたの?』
シ「……っ!!///」
ヘルらしくない言葉に、思わず顔を赤らめるシンク。しかし、すぐにそっぽを向いて声を荒げた。
シ「バ、バッカじゃないのっ!?ふざけたこと言ってないで、さっさと任務戻るよ!///」
『はいはい、シンクサマ』
もうすっかり仲が良くなった彼らは、再び任務へと向かっていった。
周りで、まるで男女のカップルを見るような目で、彼らを微笑ましく見ている者達がいたとかいなかったとか――。