第二章
夢小説設定
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「ところで、イオン様」
イ「なんですか?レイ」
ルークとティアへの訪問が終わり、レイはイオンと個室で話をしていた。
「先程言っていた、『天然も程々に』とは一体どういう意味ですか?」
イ「……そのままの意味ですよ。レイはもう少し、僕の
「は、はぁ……よく解りませんが、なんだか申し訳ないですね。すみません」
イ「……気を付けてくださいね」
イオンがレイを軽く睨むと、レイはアハハ……と小さく苦笑いした。
その時、ウィーンウィーンと警報音が鳴り、辺りが赤く点滅した。
「……何事でしょうか?」
イ「行ってみましょう!」
二人は借りている個室から出て、廊下を出た。
*******
二人が廊下へ出て、ジェイド達と合流しようと走り回っていると、複数の兵士達に囲まれてしまった。
恐らく、
兵「さあ、痛い目見たくなければ、さっさと導師イオンをこちらへ渡してもらおうか!」
イ「レイ……!」
「イオン様、下がっていてください!」
イオンを自分の後ろに隠しながら、レイは魔法体制に入った。
「天光満つる所我はあり……黄泉の門開く所汝あり……出でよ神の雷!
これで終わらせます……インディグネイション!」
天からドカーンと白き雷が落ち、周りの兵士達に決め込んだ。彼の雷は、どんな魔法でも術でも、色き雷となるのだ。
流石魔導騎士の力と言ったところか、周りの兵士達は焼かれ焦がれた様に倒れていった。
しかし、この場面を見るというのは、心優しいレイにとって、あまりに苦痛すぎたものだった。
嫌でも人を殺さねばならない――そんな世の中になってしまった事を、そして、そんな腐った世の中の為に、自分や周りの人間が手を汚さねばいけないという現実に、彼は嫌気がさしていた。
レイ(また僕は、この腐った世の為に手を汚してしまったのか……)
悲しそうな表情で、周りの兵士達を見下ろすレイ。まるで自分が殺してしまった者達に"ごめんなさい"とでも言うように、彼は兵士達の冥福を祈っていた。
イオンが後ろで彼の背を擦り、心配そうに様子を窺っていると、そこへアニスが走ってやって来た。
アニ「イオン様ぁ~レイ様ぁ~!!」
イ「アニス……」
はあはあ……と息を切らしながら駆け寄ってくるアニスを見て、レイは我に返り祈りをやめた。彼女にまで心配を掛けぬ為だ。
彼女がやって来た理由として考えられるのは、ジェイドにイオンの事を任されたから……そして、戦闘能力が高いレイを呼ぶ為であろう。
そのことを察した彼は、アニスに歩み寄り、いつものようにふわっと微笑んだ。
「アニス、ジェイドに言われてここへ来ましたね?」
アニ「さっすがです、レイ様ぁ♡その通りで~す♪」
「よし、アニス。今すぐイオン様を連れて出来るだけ向こう側へ!」
アニ「了解で~す♡行きましょう、イオン様ぁ♪」
大好きなレイの命令には絶対に逆らえないアニスは、イオンの腕を引っ張って走り出す。
イオンも軽く走り出すと、後ろにいるレイの方へ振り向いた。
イ「――死なないで下さいね、レイ。僕のたった一人の……」
「えぇ、解っていますよ」
互いにそう小さな声で呟くと、其々の道へ駆け出していった。
背中合わせで、其々の無事を祈りながら……。
そして、彼が走り出すほう――黒獅子ラルゴが倒れている先に、彼を回復しようとするほんの小さな光が見えた。
黒きローブを纏う"漆黒の黒騎士"……彼の影武者が――。