桜色の秒針
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中間テスト間近、デイダラとイタチと飛段は放課後の教室で机を囲んで勉強していた。
「明日は数学のテストだぞ。うん」
明日は国語と数学と英語だ。
デイダラはその中で最も苦手な数学を中心に勉強している。
やり方をイタチに教わろうとしたデイダラだったが、イタチは掛け時計を一瞥すると、通学用カバンに教科書を終い始めた。
「オレは帰る。このあと塾だ」
「テストもあるのに大変だな」
飛段は席を立ったイタチを見上げて言った。
イタチは「また明日」と言ってから教室を出ていく。
見送ったデイダラは机に伏した。
「イタチに数学教えてもらおうと思ったのに…」
「どこを?」
デイダラはノートを見せる。
解答のところどころが抜けていた。
それを見た飛段は「ああ」と漏らす。
「ここ、P63見た方がやりやすいって角都言ってたぜ」
「へ?」
デイダラは顔を上げ、言われた通りのページを開き、説明文を見る。
「あ…」
「な?」
「おまえよく角都先生の話覚えてるな。うん」
「そりゃあ」
照れた飛段を見てデイダラは「しまった」という顔をした。
これは惚気が始まるパターンだ。
そうなれば勉強どころではなくなる。
「あ、じゃあ、ここの問題は?」
惚気が始まる前にデイダラは飛段にノートを見せた。
飛段は丁寧に角都から聞いたことをそのまま口にする。
黒板には書かれなかった細かいことまでだ。
翌日、中間テストが始まった。
飛段が教えてくれた問題がほとんど出題された。
そしてテストが返却される日、デイダラは角都の手から採点済みのテストを受け取った。
82点だ。
自分自身驚いている。
前のテストよりだいぶいいのだ。
ちなみに、イタチは誰もが予想した通り万点である。
問題の飛段だが、
「ゲハハ」
「!!?」
そのテスト用紙を見たデイダラは仰天した。
飛段のおかげで良い点数が取れたというのに、教えた本人がたったの15点である。
「おま…」
デイダラが声をかける前に角都が言う。
「飛段、おまえだけ補習だ」
デイダラはすぐに理由を理解した。
角都と補習を受けたいがためにわざと点を間違えたのだ。
(もったいない…!! うん!)
角都がなにか条件を出さない限り、飛段は本気を出さないだろう。
飛段は「また補習だァ」と幸せそうに笑っていた。
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