桜色の秒針
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終業式の前日の深夜、飛段とデイダラとイタチは学校にやってきた。
正門をよじ登って越え、辺りを警戒しながら真っ暗なグラウンドを通過する。
月明かりのおかげで視界は良い。
校舎の窓から警備員の懐中電灯の明かりが見え、すぐに窓から見えない場所に移動して隠れた。
「見つかれば停学ものだぞ」
イタチは学校に忍びこもうとした2人を止めようとしたが、結局巻き込まれてしまったのだ。
「見つからなきゃいいんだって」
飛段は小さく笑い、真っ直ぐにある場所へと向かった。
学校のプールである。
金網の出入口は当然鍵がかけられてあった。
しかし、それで引き返す飛段達ではない。
先に飛段が金網に手をかける。
ガシャ、という音がし、デイダラとイタチは人差し指を口元に当てて「しーっ(汗)」と注意した。
飛段は「悪い」と舌をベッと出し、ゆっくりと金網をよじ登っていく。
それに続くデイダラとイタチ。
忍び込んだ3人はプールサイドへとやってきた。
水面には夜空の星と月が映り、ユラユラと揺れている。
「よっしゃー!」
飛段は学生服をその場で脱いで放り投げ、水面の月に向かって飛び込んだ。
水飛沫が上がり、遅れて服を脱いだデイダラも飛段に続いてプールへと飛び込む。
「おまえ達、もうちょっと静かに…」
たしなめようとしたイタチに、プールから出てきた2人は意地悪そうな笑みを浮かべてイタチの足首をつかみ、
ドボーン!
プールへと引き摺り込んだ。
「ゲハハハ!」
「濡れイタチ―――!」
「…」
ゴゴン!!
当然、怒られました。
イタチは学生服を脱いで改めてプールへと入り、飛段とデイダラと一緒に仰向けにプカプカ浮かびながら星空を見上げていた。
深い夜ほど、星の輝きはよく見える。
「もうすぐ夏休みだぜェ。どうする?」
飛段の問いに、先にデイダラが答える。
「オイラは作品作りに集中するぜ。うん」
「オレは受験勉強だ」
飛段達は3年だ。
遅かれ早かれ来年で卒業してしまう。
思い出したくなかったのか、飛段は「これだから真面目は(汗)」と眉を寄せた。
「イタチの目標は暁大学、オイラの目標は旦那が卒業した芸術大学。飛段は?」
「ん―――…、オレはまだ決まってねーや。角都のことで頭いっぱいだしィ…」
受験のことはこれっぽっちも頭には入っていない。
デイダラとイタチは「やっぱり」と呆れていた。
「夏休み、勉強するならゆっくりエンジョイできるところでやりたいよなァ」
「明らかにエンジョイだけが目的だろ。うん」
飛段は勉強する気はまったくない。
イタチはその言葉を本気にしたのか、何気なく口にする。
「それなら、別荘に行くか」
「あー、いいな、別荘」
「プライベートビーチって憧れるよな。うん」
しばらく間が空く。
「「別荘!!?」」
飛段とデイダラは危うく沈みかけるところだった。
「ああ、別荘だ」
どうなる夏休み!?
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