灼熱の太陽の下
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夏休み当日、6人はイタチの別荘へと遊びに来ていた。
プライベートビーチで、誰もいない。
町から離れ、森に囲まれているためまるで無人島のようである。
今日は真夏らしく快晴だ。
目の前に広がる海は真っ青な空に反射し、キラキラと太陽の光を浴びて輝いている。
その光景に5人は魅入った。
「さすがはぼっちゃまだな」とサソリ。
「見事なプライベートビーチだ」と角都。
「綺麗な場所ですね」と鬼鮫。
「夏がオレ達を呼んでるぜェ!」と飛段。
「海―――!!」とデイダラ。
飛段とデイダラは服を脱ぎ、あらかじめ履いておいた水着姿で海へと走る。
白い砂浜から海へと飛び込もうと2人だったが、イタチは2人の前に立ちふさがった。
「な、なんだよ!」
飛段が喚く前にイタチは言う。
「どういう設定で鬼鮫先生を連れてきたか覚えてるか?」
腕組んでこちらを睨みつけるその迫力に2人はビクリと体を震わせ、自分達が鬼鮫に言った言葉を思い出す。
「オレ達ともう一人のお友達が泳げません」
2人は「ああそういう設定だったな」とがっくりと肩を落とした。
イタチもそうだが、2人も泳げないフリをしなければならないのだ。
面倒な設定を作ってしまったものだ。
楽しみが半減するかと思いきや、助け船がやってきた。
角都とサソリだ。
「オレは飛段に、サソリはデイダラに泳ぎを教えてやるから、鬼鮫はイタチに教えてやれ」
生徒3人のテンションが一気にハイになる。
空気の読める大人って素晴らしい。
「それでは私達は私達で頑張りましょうか」
「は、はい…」
鬼鮫に微笑まれ、イタチは真っ赤になった顔を隠すように頷く。
邪魔をしてはいかんと、飛段達は少し離れて泳ぎの練習(をするフリ)を始めた。
「旦那、ヒトデ見つけた。うん♪」
「こっちはカメだぜェ♪」
潜っていたデイダラと飛段は海の中で色んな生物を発見した。
それを嬉しそうに互いの恋人に見せる。
「デイダラ、くらえ!」
海面から出てきた飛段はデイダラの顔になにかをぶつけた。
ナマコだ。
「ギャー!」
「まだまだいるぜェ」
飛段は次々とナマコを投げつける。
「やめろ飛段!」
「そのくらいにしておけ」
角都が注意しても飛段はしつこく投げつける。
ビチッ!
「「「あ」」」
それはサソリの頭にぶつかってしまった。
一瞬、その場の空気が凍りつく。
サソリは頭にナマコをのっけて黙ったまま、飛段を睨みつけた。
「ソォラァ!!」
サソリが投げるのは、大量のウニだ。
「いでだだだだだああああ!!」
降り注ぐウニの雨を受ける飛段。
角都は「おまえが悪い」としばらくサソリを止めなかった。
その近くで、イタチは「奴らはなにをしてるんだ」と呆れた目でその光景を眺めながら、鬼鮫にクロールを教えてもらっていた。
「芸術だ! うん!」
砂浜でデイダラが、それは見事な立体の砂の城を完成させたとき、
「ビーチバレーやろうぜェ!」
砂遊びに飽きた飛段がボールを取り出して言いだした。
イタチと鬼鮫はまだ水泳の練習をしているため、その場にいる4人で始めることにする。
飛段はネットと長い棒を拾い、ビーチバレーの試合場をつくった。
チームは、デイダラとサソリ、角都と飛段に分かれる。
「仕方ない」
「ガキのお遊びに付き合ってやるか」
角都とサソリは後退に立った。
準備ができたことを確認した飛段はサーブを打って試合を開始する。
バチィーンッ!!
次の瞬間、飛段の顔面にボールが直撃した。
飛段がやったボールを弾いたのは、大人しくしていたはずのサソリだった。
飛段は力なくその場に仰向けに倒れる。
「飛段!」
ビーチボールにあるまじき凄まじい音がしたので、心配した角都が飛段に駆け寄ってその半身を起こした。
飛段の顔面は丸い形に真っ赤である。
なにが起きたのかわからないのか、目を回していた。
「だ、大丈夫か? うん?」
デイダラも心配する。
「油断してるからだ」
嘲笑うサソリに怒りを覚えたのは、角都である。
「よくも飛段を!」
立ち上がった角都は片手にボールを持ち、サソリを睨みつける。
「なんだ? 久々にやる気か?」
2人の間に火花が散る。
合図もなく、角都はビーチボールをサソリの顔面に向けて打った。
サソリは怯むことなく打ち返す。
2人は熾烈な戦いを繰り広げた。
((大人げねェ…))
飛段とデイダラは恐ろしくて入り込めそうにない。
パアン!
激闘の途中でボールが割れてしまった。
これで終わるかと思われたが、サソリと角都は納得しない。
角都はサソリと睨み合ったまま飛段に手を差しだす。
「飛段! ボールを寄越せ!」
「それしかねーよ」
「球体ならなんでもいい!」
飛段は自分のカバンを漁り、つかみとった丸いものを角都に渡した。
「ほい」
受け取った角都はさっそく始める。
「いくぞ、サソリ!」
勢いのいいサーブを打ち、サソリはジャンプして打ち返す。
一方、2人が激闘している間、鬼鮫とイタチはまだ水泳の練習をやっていた。
「では、あの岩場まで泳いでください」
「はい」
イタチは鬼鮫に言われるままにクロールで岩場まで泳いでいく。
本当はバタフライでもいけるのだが、初心者らしくぎこちなく振る舞った。
鬼鮫に見守られながら、岩場が目前まで迫り、タッチしようと手を伸ばしたとき、
バカァ!!
「!!?」
イタチの後頭部になにかが直撃して割れた。
スイカである。
「イタチさんっ!!?」
芝居抜きでブクブクと沈みゆくイタチの救出に向かう鬼鮫。
「スイカだったのか」
角都とサソリは知らずに打ちあっていたのだ。
「ちょっとお2人とも、お話よろしいですか?」
イタチを砂浜まで上げた鬼鮫はサソリと角都を呼び出し、長時間の説教を食らわせた。
.