ついてはなれず
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お湯で洗っても、洗剤で洗っても、力づくで引っ張っても、2人の手はカップルが羨むほど、離れることはなかった。
5限目は、数学だ。
「…どういうつもりだ?」
黒板で数式を書いていた角都の手が止まり、我慢できずに振り返る。
視線の先には、上半身だけこちらに向けた飛段と前を向いたデイダラが手のひらを合わせたまま授業を受けているのだから当然だ。
飛段も全身を前に向けたいところだが、デイダラの前の席なので上半身だけしか振り返れない。
教室内の生徒達の視線が痛い。
授業が始まる前に話を聞いていたイタチはデイダラの横の席で呆れた目を向けている。
飛段の前の席に座っているトビも面白そうに見ていた。
「なんかァ、超仲良いっスね。先生の授業なんか聞いていられないほど…」
ガッ!!
教卓から投げられた先の尖ったチョークが見事トビの後頭部に突き刺さった。
トビは血だまりの机の上に伏せて気絶。
「その状態で授業を受けられるのは不愉快だ」
「そ…、そんなこと言ってもよォ…」
角都の授業だけは真剣に受けたい飛段だったが、状態が状態だ。
角都の授業でなければサボっているところだったのに。
「なんか、接着剤で手がくっついちゃったらしいっスよ」
早くも目覚めたトビが角都に説明する。
角都は「接着剤?」と怪訝な顔をする。
デイダラは内心で「バカ!」とトビを罵った。
サソリの耳に届いたらどうするんだ。
「なぜ接着剤を?」
「それは…」
デイダラがうまく説明しようとしたとき、
「べつにサソリの壊れた人形に、ぶっ!!」
ヘタな嘘をつこうとした飛段に、デイダラは慌てて自由が利く左コブシで飛段のアゴを殴りつけて黙らせた。
「机の足が壊れたからです! うん!」
無理矢理作った笑みで答えるデイダラだった。
角都はますます怪訝な顔になる。
休み時間、飛段はぎこちない笑みを浮かべて発言する。
「悪い。トイレ」
それを聞いたデイダラの額から汗が流れる。
「………マジか?」
「うん」
行きたくても言いださなかった一言を言われ、デイダラは「…オイラも…」と白状する。
「「……………」」
2人は黙りこむが、
「早く行ってこい」
イタチが背中を押してくれた。
*****
両手が塞がっていたら、と思うと笑えない。
デイダラは自分の用が終わったあと、「早くしろよ。うん」と飛段を促す。
次の授業は体育だ。だが、飛段の言いづらそうな顔をしていた。
「どうした?」
「いや…、その…、大の方が…」
デイダラの髷が逆立った。
「ウソだろ!? うん!?」
「残念ながらマジだ」
「真顔で言うな!!」
他の生徒が入れないほど男子トイレで騒いだ挙句、
※お食事中の皆様、誠に申し訳ありません
無事、終了した。
個室から出てきた飛段はすっきり顔をしていたが、その反対に、デイダラは遠い目をしていたとか。
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