骨まで融かして
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「あ、また授業サボったな。うん」
「おまえも人のこと言えねーだろ」
英語の授業をサボったデイダラは屋上へと上がり、その中心に見慣れた銀髪を見つけた。
呑気に仰向けに寝転んでいるのだ。
まるで儀式をしているように見える。
「オイラは飛段みたいにそんなに休んでねーよ」
デイダラは飛段に近づいてその脇に座った。
飛段が見上げている青空を見上げ、伸びをする。
気温も暖かいので心地がいい。
いつも学校で一緒の3人だが、授業中だけは話が別だ。
(留年しても知らんぞ…)
2人と違い、イタチは英語の授業を真面目に受けていた。
ちょくちょくサボる2人と違って一度も休んだことはない。
窓の方へ顔を向け、今頃二人は屋上かな、と呆れていた。
角都が毎日他の授業にも来ていれば飛段も真面目に授業を受けるかもしれないのに、角都は今、隣のクラスで数学の授業をしている。
一方サボり2人は雑談をしていた。
「ペインの授業って寝ちまいそうだしィ…」
半身を起こした飛段は眉を寄せてデイダラに言う。
「おまえ、頭悪いんだから、出席点だけは稼いどけよ。うん」
「んー…」
飛段は適当に返事を返すが、やめる気はないだろう。
突然、「お」と小さく漏らし、立ち上がって屋上の柵辺りに近づいた。
なにか見つけたようだ。
それを拾い、掲げてデイダラに見せる。
「こんなところにボールとグローブが♪」
屋上に来た野球部が置いていってものだろう。
「遊ぶ気満々だな」
「遊びじゃねーよ。スポーツだもん」
「「だもん」って」
それでも飛段の言うスポーツに、デイダラは付き合うことになる。
*****
飛段達の隣のクラスで授業をしている角都は、黒板に文字を書きながら飛段のことを考える。
(この時間はペインが担当か。あのバカ、サボって屋上に逃げたか)
恋人のことはよくわかっている。
「―――であるから…」
式の説明をしていると、ひとりの生徒がおそるおそる手を挙げた。
「せ…、先生、窓、少し開けていいですか?」
衣替えはまだ早い。
全員長袖である。
教室に籠る気温は生徒たちには暑いのだ。
「…そうだな。確かに少し暑いな」
窓の方に視線をやり、開けようと近づいたとき、
「ぅわあああああぁぁぁぁ!!!」
真っ逆さまな飛段と目が合った。
そのまま飛段は下へと落下する。
「!?」
突然のことに、角都は一瞬思考が停止した。
遅れて生徒達もざわっと騒ぎだす。
「飛段!!?」
角都は窓に駆け寄り、真下を確認したあと、すぐにグラウンドへと向かった。
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