時には友情
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「「おりゃあああああああ!!!」」
デイダラと飛段は2人乗りで壊れた自転車を飛ばして公園に向かっていた。
デイダラがサドルに座ってハンドルを握り、飛段はその後ろに座っている。
ペダルは2人漕ぎである。
車輪はパンクしているため、予想以上に重く、気合を入れて漕ぎ続けなければならない。
そんな2人を見た通行人達はぎょっとしている。
*****
「「ゼェッ、ゼェッ、ゼェッ」」
公園の出入り口に着いたデイダラと飛段は前のめりになって息を弾ませ、一時的に脱力している。
「ゼェッ、ハァッ、ハァッ、ゲホゲホッ(そ…、それじゃ…、オイラはここで…。うん)」
「ハァッ、フゥッ、ゲハゲハッ(す…、すまねえ…。明日…、焼きそばパン奢ってやる)」
通じ合ってる2人。
デイダラと別れたあと、飛段は疲労した体でよろよろと公園の中に入り、角都の姿を捜した。
もしかしたら、怒って帰ったのかもしれない。
今はまだ4月だ。
夜は冷える。
時計を見ると、もうすぐで45分だ。
「角都ゥ…」
「遅い」
「!」
振り返るとすぐ背後に角都が腕を組んで立っていた。
飛段の体から不安というものが抜け出る。
「角都…、ごめん…!」
拝むように両手を合わせ、角都に謝った。
角都は飛段の頬や手の傷とアザを見て、口にする。
「…約束を破ったな?」
「……………」
飛段は言い訳せず、黙ったまま頷いた。
怒鳴られるのは覚悟の上だ。
角都が手を伸ばし、飛段はビクリと身を竦める。
叩かれると思ったからだ。
しかし、角都の伸ばされた手は優しく飛段の頬に触れた。
「…仕方のない奴だな、おまえは」
「お…、怒らねえの? オレ…、角都との約束…」
「オレとの約束を破るくらいだ。やむを得ない事情があったんだろう?」
頭を撫でられ、飛段は目に涙を溜めた。
「か…、角都ゥ…」
「言い訳しなかったのは褒めてやる」
小刻みに震える体を、角都は優しく抱きしめた。
.