時には友情
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朝、飛段は保健室で向かい合って座る角都に手当てされていた。
他校の複数の不良に絡まれ、怪我を負ったのだ。
こちらに来る前、シャツは汚れ、腕や顔に痣や擦り傷を作って登校してきた飛段を見つけた角都は、玄関で飛段をつかまえ、強制的に保健室へと連れ込んだのである。
「また喧嘩か」
角都はそう呟きながら、消毒液を飛段の頬の擦り傷に押しつける。
「痛ててて!!」
消毒液が沁みて飛段は声をあげるが、角都はお構いなしだ。
絆創膏を貼られながら飛段は言い訳する。
「オレが悪いんじゃねーよ。向こうが喧嘩売ってくんだって! その銀髪生意気だとか、なにガンたれてんだテメーとかァ」
喧嘩した他校の生徒は不良が多く、問題ばかりを起こしていることで有名だ。
「真っ黒に染めてしまえ。元から校則違反だ、その頭は」
「地毛だって言ってんだろォ。染めてねーしィ」
「それで、今日は何人相手したんだ?」
飛段は開いた左手に右手の人差し指をつけて角都に見せる。
「6人。この間は3・4人だったのに数増やしてやがった」
「逃げたのか?」
「一人3発ずつボコってから逃げた。素手で6人はムリ」
「ほお。頑張ったじゃないか」
「だろだろ?」
飛段は角都に褒められて自慢げにするが、
「次は10人で来るんじゃないか?」
そう言われて「げ」と顔を歪めた。
「おいおい、不吉なこと言うなよォ」
「喧嘩を続けていると最終的にそれ以上の数になる。誰だってストレス発散相手を探しているからな」
立ち上がって消毒液を棚に戻した角都は、飛段に振り返って言葉を続ける。
「だから、吹っかけられても迷わず逃げろ。なにを言われてもだ」
「…けど…」
「おまえが手を出せば、どんな言い訳も聞かんし、口も利かん」
「う…っ)」
角都の厳しい顔に飛段は思わず唸る。
目を伏せたとき、角都は手を伸ばして飛段の頬にそっと触れ、目を合わせた。
「こうでも言わなければ、無茶をされるからな。血の味の接吻も御免だ」
「ぷっ。接吻って…」
今時、そんな言い方はしない。
角都がムッとしたとき、飛段は笑いながら目の前の肩をポンポンと軽く叩いた。
「わかったわかった。約束する。だから、今日、デートして」
「なぜそうなる…」
「いいだろォ。角都忙しくて最近遊んでくれねーしィ」
「…わかった。ちゃんとオレとの約束、守れよ」
そう言いながら、角都は飛段に顔を近づける。
飛段も角都の顔に近づく。
「はーい、角都センセー」
2人の唇が重なろうとしたとき、
「ラブラブなところ悪いけど…」
「外デヤレ」
ちょうど保健室に戻ってきたゼツに邪魔されてしまった。
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