ケーキの向こうのお前が泣いた
いったい何がいけなかったんだろう。
トークルームを眺めて、攻めは思う。別れを了承するメッセージに、既読だけついた。返事はない。
涙が頬に張り付いてひきつってる。幼馴染が、「返事は」と覗き込んできた。それを隠す気力もない。
「まだ、返事困ってるのかもよ」
と励ましてくるけど、全然響かなかった。頭がうまく動かない。
受けが、あんまり泣いてたから、幼馴染が「せめて言うこと聞いてあげたら」って言うから、一度ものわかりいいこと言ったけど、全然わからない。
けど、いつもみたいに、許してくれないか、まだ信じてる。
「まあ、いいじゃん。きっと友達には戻れるよ」
「友達なんてやだ」
考えるよりはやく、言葉が出てた。友達なんて、いやだ。俺は受けの恋人なんだから。幼馴染が「でも」と何か言いつのってるけど、聞こえない。
ていうかいつまでいるんだろう。そう思うけど、ひとりになるのも怖かった。受けがいないってわかるから。
部屋に置かれたケーキと、二人きりになるのが怖い。受けが用意してくれたケーキは、自分の好きなチョコで、暖房にかすかに溶けだしていた。
ケーキの向こうで、笑ってた受けを思い出す。辛そうに泣いた受けも。
何がいけなかったんだろう。
考えないと。でも、考えたくない。胸が痛くて、死にそうになるから。大好きな人に、大嫌いって言われた。いきなり。
最悪なことに、理由もちっともわからなくて、世界中でひとりぼっちになったみたいな気持ちだった。
自分自身が、なにか間違いなのかとさえ思う。怖い。
でも、受けが帰ってきてくれるなら、考える。でも、できないのは、なにか。
「だから受けは帰ってこない」って、考えた末に、決定打を見つけるのが、怖かったから。
トークルームを眺めて、攻めは思う。別れを了承するメッセージに、既読だけついた。返事はない。
涙が頬に張り付いてひきつってる。幼馴染が、「返事は」と覗き込んできた。それを隠す気力もない。
「まだ、返事困ってるのかもよ」
と励ましてくるけど、全然響かなかった。頭がうまく動かない。
受けが、あんまり泣いてたから、幼馴染が「せめて言うこと聞いてあげたら」って言うから、一度ものわかりいいこと言ったけど、全然わからない。
けど、いつもみたいに、許してくれないか、まだ信じてる。
「まあ、いいじゃん。きっと友達には戻れるよ」
「友達なんてやだ」
考えるよりはやく、言葉が出てた。友達なんて、いやだ。俺は受けの恋人なんだから。幼馴染が「でも」と何か言いつのってるけど、聞こえない。
ていうかいつまでいるんだろう。そう思うけど、ひとりになるのも怖かった。受けがいないってわかるから。
部屋に置かれたケーキと、二人きりになるのが怖い。受けが用意してくれたケーキは、自分の好きなチョコで、暖房にかすかに溶けだしていた。
ケーキの向こうで、笑ってた受けを思い出す。辛そうに泣いた受けも。
何がいけなかったんだろう。
考えないと。でも、考えたくない。胸が痛くて、死にそうになるから。大好きな人に、大嫌いって言われた。いきなり。
最悪なことに、理由もちっともわからなくて、世界中でひとりぼっちになったみたいな気持ちだった。
自分自身が、なにか間違いなのかとさえ思う。怖い。
でも、受けが帰ってきてくれるなら、考える。でも、できないのは、なにか。
「だから受けは帰ってこない」って、考えた末に、決定打を見つけるのが、怖かったから。