君の一番になりたい
それから、受けは攻めに話しかけるようになった。周囲からは変なものを見る目で見られたけど、攻めはいつも目を見て話してくれた。
攻めくんって、やっぱり優しいな。
いっそう好きになったけど、ただ好きでいるって決めたから。受けは気持ちに蓋をする。
攻めはものすごく高嶺の花という感じで、皆が牽制をかけあってる状態だけど、すごくもてていた。
ここで空気を読まずに告白した自分ってある意味すごいな……と遠い目になるくらい、皆攻めのこと、見上げてた。
周囲に「あんなアホと付き合うな」とか「不良にも物怖じしない攻めくんかっこいい」とか言われてて、落ち込むけど、攻めはいつも「俺が決めたことだから」って言ってくれてた。
やっぱり大好きだな、と感激する。
「俺は、自分の感じたことを信じるから」
そう言って、誰も気づかない受けの真面目さを拾い上げてくれた。
攻めくんのこと、大好きだな。
攻めに恋人ができたって聞いたのは、すぐのことだった。攻めの口からだった。
「そういうわけだから、これから線を引きたい」
恋人にも、君にも誠実でいたいから。
そう言われて、受けは泣いた。でもあんまりかっこよくて、大好きな攻めらしくて、頷いた。
「わかった。恋人さんと幸せにね」
今まで本当にありがとう。
受けは攻めと、一線を引くことに決めた。
恋人は素敵な人で、本当にお似合いだった。攻めはすごく優しい目で、その人を見てた。羨ましくて、じっと見てた。
俺も、ちゃんと前を向かないと。そう思うのに、ずっと素敵を更新されて、どうしたらいいかわからなかった。せめて勉強くらいは頑張ろうって打ち込むけど、ずっと攻めのことが忘れられない。
テストの順位表で近くに並ぶだけで嬉しい。
成績が上がって、また攻めと一時期いたことでカーストが上がったみたいで、前より好意的に接してくれる人も増えた。
告白されて嬉しかったけど、「好きな人がいる」って断り続けた。