俺だけいつも枠の外
「攻め! 週末なんだけど――」
「ああ。当然友と遊ぶが」
「また? たまには俺と遊んでよ」
「何で」
「何でって〜……」
どっと周囲が笑う。俺と攻めの恒例のやりとりなんだ。俺と攻め、友は三人、幼馴染。
攻めは昔から、友の事が大好きで、
「友、お前は可愛いな」
「友、饅頭やる」
「友、宿題教えてやろうか?」
と、まあ、猫っ可愛がりで。
でも、気持ちはわかるんだ。友は本当に可愛い……というか、ほっとけないところのある奴で。
たとえばさっきの攻めに対して、
「は……?」
「いらん。自分で食べろ」
「自分で解くことに意義がある」
と、とにかくつっけんどんで。だけど、でも根っこ優しくて、不器用なだけなんだ。
攻めもそこわかってるから、余計可愛いし、庇護欲爆発なんだよな。ずっと、俺と攻めで、友のこと守ってきたんだ。俺もそれに、異存はないんだけど。
「攻め、俺わかんないとこあって」
「あ? 自分の頭で考えろ」
……ないんだけどさ。
◇
「友、ちゃんと本から目を出して歩けよ」
すっごい美形な攻めと、美少年な友は、見るからに絵になる。俺と言えば、その間にいる、なんか浮かれた奴……。
「ほら、友。溝があるから。おい受け」
「うい。友、こっち来な。俺そっち行くからさ」
俺は友を真ん中にやって、溝側を歩く。
友はオメガなのもあって、攻めはとにかく、友に過保護なんだ。道を歩けば歩道側、あんまん食えばあんこ側……あんこ側ってなに。
「おい、友が危ないだろうが。ぼさっとすんな」
「攻め、あの〜俺もオメガなんだけど」
「は? 甘えんな。お前はバグだろ」
攻めのバッサリとした言葉に、周囲はどっとウケる。攻めの溺愛っぷりと塩っぷりの対比が、凄い面白いみたいでさ。
俺の人生、最大七不思議が、そんな俺と攻めが付き合ってることだよね。
いや、いいんだよ。俺は昔からオチ要因で。
なんかそういう意味では、
「攻めくん、とうとう折れたか」
ってかんじで、周囲からやっかまれもしないし。
俺も何でかなあ、って思う。
友に彼氏が出来たからかな。年上の、ちょっと冷たい感じの大学生で……攻めは、もう過保護大爆発。
「うちの友の何が不満だ!?認めねえからな」
ってかんじでね。
まあ言ってね? 友と攻めってガチで仲良しなの。本当に水魚の交わりなの。波長が合ってて、ほんと……だから、何でこの二人が付き合ってないんだろ? ってくらい。
でも、友彼さんはね。わかりにくい人なんだけど、友のこと、実は超好きでね。ただの武骨なお兄さんだから、俺によく愚痴ってますよ。
「攻め、往ねぇ!」
って。攻めの嫌いなおかずばかり、わざと友のお弁当(朝、届けに来てる)に詰めてるの、俺知ってるもん。ウケる。
……わかるよ。なんか、じゃあ、お前マジで浮いてない? ってことだよね。
俺も思ってる。
攻めは友が好き、友は友彼さんが好き、友彼さんは、友が好き。綺麗な相関図だね。俺だけ欠席者みたいに枠外だよ。
俺の人生って、そんなもん。一番にはなれないけど、でも好きな人は、いっぱいいるから、いいかなって。そう思って過ごしてきた。
――んだけど。
「付き合わなきゃよかったかな」
「何がだ?」
友が不思議な顔して、俺のこと見てた。やば、声に出てた。友に何でもないって首を振る。友がじっと俺を見てた。
本当に綺麗な顔。なんか、セピア写真みたいな雰囲気ある。……わかってる。
付き合ったから、こんな微妙な気持ちになってる。だって、恋人って、「一番」ポジのはずだから。
《完》
「ああ。当然友と遊ぶが」
「また? たまには俺と遊んでよ」
「何で」
「何でって〜……」
どっと周囲が笑う。俺と攻めの恒例のやりとりなんだ。俺と攻め、友は三人、幼馴染。
攻めは昔から、友の事が大好きで、
「友、お前は可愛いな」
「友、饅頭やる」
「友、宿題教えてやろうか?」
と、まあ、猫っ可愛がりで。
でも、気持ちはわかるんだ。友は本当に可愛い……というか、ほっとけないところのある奴で。
たとえばさっきの攻めに対して、
「は……?」
「いらん。自分で食べろ」
「自分で解くことに意義がある」
と、とにかくつっけんどんで。だけど、でも根っこ優しくて、不器用なだけなんだ。
攻めもそこわかってるから、余計可愛いし、庇護欲爆発なんだよな。ずっと、俺と攻めで、友のこと守ってきたんだ。俺もそれに、異存はないんだけど。
「攻め、俺わかんないとこあって」
「あ? 自分の頭で考えろ」
……ないんだけどさ。
◇
「友、ちゃんと本から目を出して歩けよ」
すっごい美形な攻めと、美少年な友は、見るからに絵になる。俺と言えば、その間にいる、なんか浮かれた奴……。
「ほら、友。溝があるから。おい受け」
「うい。友、こっち来な。俺そっち行くからさ」
俺は友を真ん中にやって、溝側を歩く。
友はオメガなのもあって、攻めはとにかく、友に過保護なんだ。道を歩けば歩道側、あんまん食えばあんこ側……あんこ側ってなに。
「おい、友が危ないだろうが。ぼさっとすんな」
「攻め、あの〜俺もオメガなんだけど」
「は? 甘えんな。お前はバグだろ」
攻めのバッサリとした言葉に、周囲はどっとウケる。攻めの溺愛っぷりと塩っぷりの対比が、凄い面白いみたいでさ。
俺の人生、最大七不思議が、そんな俺と攻めが付き合ってることだよね。
いや、いいんだよ。俺は昔からオチ要因で。
なんかそういう意味では、
「攻めくん、とうとう折れたか」
ってかんじで、周囲からやっかまれもしないし。
俺も何でかなあ、って思う。
友に彼氏が出来たからかな。年上の、ちょっと冷たい感じの大学生で……攻めは、もう過保護大爆発。
「うちの友の何が不満だ!?認めねえからな」
ってかんじでね。
まあ言ってね? 友と攻めってガチで仲良しなの。本当に水魚の交わりなの。波長が合ってて、ほんと……だから、何でこの二人が付き合ってないんだろ? ってくらい。
でも、友彼さんはね。わかりにくい人なんだけど、友のこと、実は超好きでね。ただの武骨なお兄さんだから、俺によく愚痴ってますよ。
「攻め、往ねぇ!」
って。攻めの嫌いなおかずばかり、わざと友のお弁当(朝、届けに来てる)に詰めてるの、俺知ってるもん。ウケる。
……わかるよ。なんか、じゃあ、お前マジで浮いてない? ってことだよね。
俺も思ってる。
攻めは友が好き、友は友彼さんが好き、友彼さんは、友が好き。綺麗な相関図だね。俺だけ欠席者みたいに枠外だよ。
俺の人生って、そんなもん。一番にはなれないけど、でも好きな人は、いっぱいいるから、いいかなって。そう思って過ごしてきた。
――んだけど。
「付き合わなきゃよかったかな」
「何がだ?」
友が不思議な顔して、俺のこと見てた。やば、声に出てた。友に何でもないって首を振る。友がじっと俺を見てた。
本当に綺麗な顔。なんか、セピア写真みたいな雰囲気ある。……わかってる。
付き合ったから、こんな微妙な気持ちになってる。だって、恋人って、「一番」ポジのはずだから。
《完》
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