十話 痛いほどの優しさ


 週が明けた。

「う……」

 俺はベッドから身を起こした。
 体が軽い。いつもは鉛みたいに重くて痛いのに、起き上がれた。これなら、学校に行ける。
 そのことに、胸がじくりと痛くなった。昨日起きたことが、よみがえってくる。
 ――たき……。

『大丈夫』

 そう言って、泣いてる俺のことを抱きしめてくれた。昔みたいに、優しかった。ずっと。
 ぎゅっと身を抱く。瀧の熱と香りが、まだ残ってる。は、と息をつめる。
 首を振って、それを振り払った。
 期待なんかしちゃ駄目だ。きっと、何かの気まぐれで……都合の良い幻みたいなものなんだから。

 朝の光が、カーテンの隙間から差し込んでる。
 俺は、ベッドを降りて、支度を始めた。



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