二十三話 きっと、また
「いってきます」
家の中に向かい一礼して、俺はドアを開けた。視界には、道路と向かいの家が広がった。
……いつもの白じゃない。俺はしばらくの間立ち止まって、その景色を眺めてた。
瀧は、今日から、おじさんのところだ。昨日、出発する前に、家に会いに来てくれた。
『行ってくるね』
俺を抱きしめて、瀧は言った。頭のなかに触れるみたいな囁きだった。
『うん』
頷いて、俺は瀧の背に、手をのばした。かすかに、背に触れたら、強く抱きしめられた。
それから、着いたって連絡も来たし、今朝だって、『おはよう』ってメッセージが来た。
だから、大丈夫なのに。
アスファルトに落ちた、影を見下ろす。ひとりの道は、なんだか広いな。当たり前のことだったのに、いつの間にか、そう感じるようになってた。
瀧。空は静かに、青みを増しだして、熱を帯び出していた。