二十二話 夏休みを前に


「……ふう」

 休み時間。いつもの空き教室で、期末テストの結果を前に、俺はゆっくりと息をついていた。

「どした? 理央りお

 後ろから、ほしが尋ねてくる。俺の肩に両腕を乗せて、机を覗き込んできた。

「わっ」
「おっ! 頑張ったじゃん」

 俺の答案を見て、星は声を高く伸ばした。明るい反応に、俺は肩を寄せて、笑う。

「うん。あとの方は全然解けなかったけど」
「でも最後まで食らいついてるし。前の方は丸ついてんじゃん?」

 これ、結構手応えあったんじゃね?
 星に聞かれて、俺ははにかんだ。実際、そうかも知れない。休みがちだったけど、解答時間がずっと暇なテストじゃなかった。一人になって、発作を起こす不安を抱えなくてよくなったのも、大きかったかもしれない。けっこう集中できた。

「ありがとう。皆のおかげ」
「なーに言ってんだよ。お前が頑張ったからじゃん」

 星の控えめな言葉に、俺は首を振る。皆、俺が休むたびに、いつもノートをとってくれた。教室が離れても、会いに来てくれて、ずっと励まして、テスト対策もこまめに教えてくれた。

「よかったなあ」

 星は笑って、俺の頭をわしわし撫でた。嬉しそうな友達の顔に、俺もくすぐったくなる。
 結果もだけど、今回、テストを期間中にテストを全部受けれたのも、すごく嬉しかった。俺も、皆と同じことができたんだって。皆頑張ってるんだし、まだまだ全然だけど。これから一歩ずつ頑張って、皆と走っていけるようになりたい。

「おーい! 掲示見たかよ!」
「今回ものってんぞ、星〜」

 皆が、笑いながら教室に滑り込んできた。早く早くと手招きされ、俺と星は笑って駆け出した。


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