「俺のほうがずっと大好きだよ」
「お前もいるだろ?」
「うん。お前はいないだろ」
「うるせ。で、どうなん? 同じ学校なんだろ?」
うわーー! いくら三人友達だからってストレートすぎる! 友達の攻めと自分への信頼がまぶしすぎて泣ける。攻めが「ふうん」と興味深そうに受けを見る。
「どれくらい好きなの?」
「えっ」
「その人のこと」
攻めに聞かれて、受けは真っ赤になる。俯いて、蚊のなくような声で言う。
「小学校の頃から」
「すげーー! めっちゃ長いじゃん」
声が大きい友達に余計小さくなる。なんでこんなほぼ告白のような……とは思うけど、ここで言いたい気持ちもあって。きっとわからないとも思えたから、これくらい攻めないとって気持ちがあった。
「なんで? なんで?」
「困ってた時に助けてくれて……」
「へーしっかりものかー」
さすがにぼかすけど、そっと攻めを窺い見る。すると、攻めは受けのことじっと見てた。
その目があんまり真っ直ぐで、見てられないくらい恥ずかしくなる。
「攻めは? お前も片思いだろー?」
にこにこ水を向ける友達に、思わず耳を大きくしてしまう受け。攻めは、じっと受けを見たまま、
「うん」
と言った。
「つーかお前も歴長いよな? 同じくらい?」
「たぶん俺のほうが長いと思う」
「へー? なんでわかるん」
「なんとなく」
ずっと受けを見ながら話す攻め。受けはなんだか息もできないくらい緊張してしまう。何かすごく馬鹿な勘違いをしそうになって、はたと気づく。
俺より長いなら、ありえないか。勘違いを恥じ、ちょっと冷静になる。
「なんで? つーか告白せんの?」
「俺が引っ越して会えなかったから」
「えっ、じゃあもう会えてないってこと」
「ううん。会えた」
「へー!」と友達が声をあげたのと、受けが顔を上げたのは同時だった。攻めはずっと受けを見てた。
「忘れないでって言っておいてよかったな」
受けは息をのむ。そこから全然吸えなくなる。
「えっ!?告白してたん?」
「告白はまだ。向こうからはどうかな」
そう言って黙った。受けは真っ赤になって動けなかった。汗が止まらない。もしかして、なんて馬鹿げたことをどうしても思ってしまう。
「告白されたってこと?」
「見送りに来て手紙くれた」
「それ確定じゃん!」
も、もう勘弁して……! 受けは縮こまっていた。違う子かもしれないし、けど、ずっと見てくる攻めの目が、すごく熱いから。どうしていいかわからなかった。
「いいな、甘酸っぺ! サッカーしろよてめえ」
「してるだろ」
「は〜俺も恋してえ。受けも頑張れよ」
何とか頷いた。
膝の上で、落ち着かなげに手を握ってると、そっとその手に攻めが触れた。
すぐに離れたけど、確かに手を握られた。
友達と談笑する攻めを、じっと受けは見てた。
◇
その後。
攻めが自分の渡した栞を使ってくれているのを見つけて、受けが耐えきれず告白する。
攻めはあの日と変わらない笑顔で、笑った。
《完》
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