「俺のほうがずっと大好きだよ」
それから、三人で行動するようになった。隣の子改め友達は、攻めと同じくサッカーを頑張ってて、試合つながりで攻めと仲良くなったらしい。
攻めの知らない顔を色々教えてくれた。
「あいつ、すっごいモテるからさあ。すげーむかついてサッカーだけは負けねえって頑張ったりさ」
と言うので、「そうなの?」と聞く。
「うん。でも断るんだよな」
「サッカーに一途ってこと」
「それならいい……いやそれでもムカつくけどさあ」
「えっ、恋人がいるってこと?」
受けが恐る恐る聞くと、「うーん」と首をひねる。
「ずっと好きな人がいるんだってよ。あの顔で言うから、それで余計にモテちゃってさー」
「そうなんだ」
受けの声が、小さくなる。そりゃそうだよね。わかっていても、気持ちが落ち込んでしまう。
「どういう人か聞いたことある?」
「うーん。俺はないな」
「そっか」
受けが俯いていると、友達が、「受けは?」と聞いてくる。
「お前って意外と彼女とかいそう」
意外ととは……戸惑いながら「いたことないよ」という。
「好きな人はいるけど」
何となくそれは言っておきたかった。友達は「へえ」と興味深げに聞いてくる。
「同じ学校?」
「うん、今は……」
「へー! 誰!?」
しまった。話しすぎた。困っていると、攻めが来た。
「何の話?」
「受けの好きな人の話」
ストレートに言われて真っ赤になる受け。「ちょ、ちょっと」と慌てて言葉を塞ぐ。友達が笑ってるのに、攻めが「恋愛の?」と席に座って聞いてきた。
「そうそう」
「へえ。俺にも教えてよ」
頬杖をついて、じっと見られる。友達から、そっと自分の好意が攻めに伝わらないかな……って色気心出すんじゃなかった! と後悔する。