あの日にまだ縋ってる25


「げほっ……」

 どうにか家に帰って、俺は玄関で息を整えてた。床の木目がぼやける。

『皆、消えてほしいって思ってます』

 ――違う。
 佐保ちゃんの言葉を振り払う。
 違う。皆優しい。きっと皆は……。
 でも。
 俺はそんな皆に、いったい何を返せてるんだろう?

「けほっ、げほっ……!」

 考えても、考えても。
 ちっともわからなかった。


 《完》

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