あの日にまだ縋ってる14
スーパーをでたら、空が夕焼けになりそうだった。黄色い光が、さっと走ってる。
きれいで思わず見つめる。
「この季節は、今がいいな」
「はい」
先輩の声は、俺と同じだった。しばらく、空を見てた。
「じゃあ、送っていくよ」
先輩のあっさりとした言葉に、俺は驚く。
「えっ、でも……」
「遅くまで付き合わせちゃったし、心配だから」
そう言う、先輩の声はあったかかった。断るほうが、失礼だって思うくらい。
俺は、頷いた。先輩に促され、歩き出した。
「ありがとうございます」
「いや。暑くないか?」
「大丈夫です」
夕日の中、俺と先輩は、話してた。鳥が集団で、飛んでいく。
「すごい」
「集団ねぐらだな」
「え?」
「ああやって、守りあって帰るんだよ」
見上げる先輩の横顔を見上げた。向こうに星が見えた。
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「先輩、ありがとうございます」
家の前で、俺は頭を下げてた。
「すぐに家に入るんだぞ」
「はい。先輩も、お気をつけて」
先輩は、俺が家に入るまで、見守っててくれた。優しいんだな。
『理央ちゃん、また明日ね』
ふっと、声が蘇る。
ぎゅっと胸が苦しくなって、首を振った。関係ないんだから。
俺は鍵を閉めて、玄関に上がった。床はひやりと冷たかった。