あの日にまだ縋ってる14


「理央、どうした?」
「うん」

 放課後、首を捻ってる俺に、ほしたちが尋ねた。エアで歌ってたんだけど、俺がちょっと上の空なのに気づいたみたいだ。

「具合悪いか?」
「ううん、平気!」

 手を振って否定する。じっと俺を見てるやさしい友達に、俺は意を決して尋ねる。

「あの……先輩のことで」
「ん? おう」
「お弁当を、作ってくれたんだけど」
「へー! よかったな」
「うん」

 星たちが床を膝で滑って俺のところにくる。「くわしく」って聞かれて、俺は経緯をぽつぽつ話した。
 あれから、美味しくお弁当食べて。「ごちそうさま」をしたら、
 先輩は、

「また作ってきていいか」

 って言ってくれたんだ。嬉しくて、頷いたのはいいんだけど。

「お礼をしたいんだ。でも、何を返していいかなって」

 お金……は、なんか違うかなって。でもこのまま、ただごちそうになるのは違うって思うから。

「先輩のお弁当に見合うもの……」

 俺もご飯作れたらよかったんだけどな。うんうん頭を悩ませていると、星が「ふむ」と頷いた。

「じゃあさ、お茶は理央が持ってけば?」
「お茶?」
「お前お茶いれてきてるじゃん。美味しいお茶いれてあげたらいいんじゃね?」
「そっか……!」

 いいのかな? 割り、合ってるかな?
 すこし不安になる。
 でも、それならお弁当にあうお茶、持っていこう。

「そうする。ありがとう」
「いいって」

 笑って、星が小突いてきた。

「よかったな」

 って言葉が、嬉しそうで、俺も笑った。


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