あの日にまだ縋ってる14


「先輩、ごめんなさい」

 昼休みが終わって、俺はしおれてた。
 先輩は、穏やかに笑ってくれた。手には、俺の食べ残したお弁当を持ってる。
 あれから、ご飯を食べたけど、全然食べ切れなくて。俺はひたすら、小さくなっていた。

「気にしなくていい。それより、お腹は大丈夫か?」

 俺は、頷いた。
 玉ねぎのはいったハンバーグ、すごく優しい味で美味しかったのに。途中から、喉に入っていかなくて……一生懸命、箸を進めてた俺に先輩が気づいて、止めて、お弁当を引き取ってくれた。
 こんなに情けない気持ちってなかった。
 せっかく、先輩が俺のために作ってくれたのに。ここで泣いたらより最悪だと、ぐっとこらえてた。

「具合が悪かったら、すぐに連絡してくれ」

 そう言って、先輩は戻っていった。ずっと先輩は優しかった。
 俺は席に戻り、くたりと上体を折る。
 胸の奥が冷えて、潰れてた。椅子の上でぎゅっと見を抱いて縮こまった。
 先輩は、優しくしてくれた。けど、きっとがっかりさせた。
 空っぽの家が、頭によぎる。
 どうしよう。
 先輩は放課後にも、会いに来てくれた。けど、ずっと、それが苦しかった。


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