あの日にまだ縋ってる11
「入れないってどういうことですか?」
星が、養護教諭の先生に怒った。先生は、「静かにしなさい」と怒鳴り返す。
「満室だって言ってるじゃないの」
「なら、ベッドに休ませてあげるくらい」
「ヒートだったらどうするの。入れられないわ」
「そんな……だったら、尚更救護室に入れてあげてくださいよ!」
「うるさいわねぇ。具合が悪くて皆休んでるのよ」
先生が、首を振った。
「だいたいね、救護室は遊びに来るところじゃないの」
「なっ……」
「真面目に頑張ってる子のための場所なのよ」
星の上着の向こう、ずっと先生が怒ってる。
「あんまりでしょ! 理央は本当にしんどいのに」
「なら、帰りなさい。書いておいてあげるから」
はあ、とため息をついて、先生が保健室に入っていった。届けを渡す。
「そんなに具合が悪いなら欠席しなさい。高校生でしょう? それくらい自分で判断しなさい」
そう言って、背を向けられた。
「くそばばあ」
星が低く唸った。
向こうから、体育帰りの生徒たちが入ってくる。
「先生、こんにちは」
「あら、
先生は「お疲れ様」と笑った。
「ちょっとふらついちゃって……」
「あらあら。休んでいく? 救護室あくわよ」
「んー……平気ですっ休んでられないので!」
「頑張るわね。無理しちゃ駄目よ」
「はーい」
「……行こう」
星が、俺の肩を抱いて、歩き出した。俺は、ただただ申し訳なかった。さり際、背中がびりっと痛んだ。振り返ると、
すごく強い目で――俺は、とっさに目をそらした。