友達の幼馴染への感情がヤバい(希結×那智)


「しかしよ、ひとし

 ふたりきりの放課後。大がアイスバーをかじり、尋ねてきた。

「なんだよ」

 凍ったアイスと戦いながら、俺は答えた。

「希結の相手ってよ、見た感じアルファじゃね?」
「……だよなあ」

 俺は首をひねった。希結と一番付き合いの長い俺達でも、聞けなかった。

「希結に抱かれてーって人には見えなかったけど」
「やっぱ?」
「どうすんだろな?」

 俺は低く唸った。
 希結は女扱いが嫌いだ。小等部のとき、色目使ってきた上級生を、ひと睨みで昏倒させた。

「じゃあ、やっぱあの人がソッチってことか?」
「そうだろ……」

 希結を抱くのは無理だ。俺は首を振った。

「でもさ」
「おう」
「希結のあれは、何なん?」

 教室の電子音が響いた。

「お前……それは言いっこなしだろ」

 俺は机にもたれこんだ。あえて言わなかったのに。大は、バーをまた一口かじった。

「そうだけどよ。気にならん? 何であんな感じなわけ」
「まー……」

 俺は溶け出したアイスをつついた。思ったより、スプーンがめり込んだ。

「もしかして、あの人にはソッチってこと?」
「いや、それはなくね?」

 俺は手を振った。

「まあな。言ってみただけ」

 大は、アイスバーをすすった。俺は肩を落とし、アイスをすくった。溶け出したらすぐだ。

「でもさ。あのチョーカーも、気にならね?」
「だから言うなって……」

 俺は大の言葉を、腕を振って遮った。


4/7ページ
スキ