友達の幼馴染への感情がヤバい(希結×那智)
希結!? 白い背が駆けていく。
青年が振り返って、大きく手を振った。
「希結!」
「どうしたの、こんなところに」
「近くまで来たからさ。テストお疲れ」
青年は、希結の頭を優しく撫でた。希結ははにかんで、かすかに俯いた。
……はにかむ?
「那智くんこそ、今日は部活の買い出しじゃなかったの?」
「うん、それがさ。先生が迎えに来てくれて、荷物引き取っていってくれたんだ」
「そっかぁ。よかったね」
希結が笑った。
俺たち、唖然。誰だお前は。
青年――那智さんは俺たちに気づいて、会釈した。つられて、俺達も礼を返した。
「ごめん、友達といたんだな」
那智さんが半歩引くのを、希結はぱたぱた首を振る。
「ううん! もう解散するとこだったし」
「そうか?」
「うん、だよね?」
希結が振り返って、俺たちに念を押した。甘い目の奥が笑ってない。
「そうです! お構いなく」
俺たちは、ぶんぶんと頭を縦に振った。那智さんは俺たちをきょとんと見て、
「ありがとう!」
と嬉しそうに笑った。
「じゃあ、一緒に帰るか!」
「うん! じゃあ、また明日」
希結は天使の笑みで、俺たちに手を振り、那智さんと連れ立って帰っていった。希結は、那智さんの腕に甘く抱きついた。那智さんはくすぐったそうに、身を寄せていた。
俺たちは無言だった。
誰も動かなかった。
「なんだ今の」
大がつぶやいた。