友達の幼馴染への感情がヤバい(希結×那智)


「だりー」

 テストが終わり、俺たちは昇降口を出た。凝った体を伸ばすと骨がきしむ。

「腹減ったあ。何か食ってこうぜ」
「迎えは?」
「パスしとこ。今家帰りたくねーよ」

 だいがスマホで家に連絡を送る。俺は向こうに首を伸ばした。

「なあ、希結きゆ。どした? えらいしけてんじゃん」
「んー」

 希結は目を伏せて、スマホを弄んでる。
 人形みたいに長い睫毛が、陽の光に透ける。
 黙ってると温度が消える顔だ。

「テストコケたか?」
「別にコケないしあれくらい」

 ふいと顔を背ける。

「じゃあ何でしけてんの?」
「いや別に……」

 希結は言葉を切った。気だるげに項に手をやった。白くて長い首に、黒いチョーカーが光っている。
 大が、「ん?」と声をあげた。

「見慣れねえやつ。高校生?」

 長身の青年が、門の前で警備員と話していた。凛としていて、遠目にも美形だった。

「あの制服、東高だっけ? ここじゃ見ないよな」
「珍しいな」

 肩をぶつけながら囁きあった。飛び出していった影がひとつ。


那智なちくん!」


1/7ページ
スキ