「もっと可愛い子と付き合いたい」と恋人に嘆かれている【1】
「うわっ郷田原がきた……!」
男子たちが、蜘蛛の子を散らすように逃げていく。中心で泣いている幼なじみを、相は助け起こした。
「もう大丈夫だ」
「相ちゃん」
ぎゅっと抱きつかれて、背中をあやしてやる。
「怖かった」
「大丈夫だ。俺がお前を守ってやる」
力強く言うと、満未は「うん」と泣いた。
「相ちゃん大好き」
口癖みたいに、言ってくれた。相は聞くたび、誇らしくて嬉しかった。相も、満未のことが大好きだった。
「相ちゃんを守れる男になるから、つきあってください」
お花を渡されて、告白された。真っ赤になってふるえてる満未を、相はちょっとぽかんとして見ていた。
「俺にか?」
バカな返しだったとは思うが、動転していた。
お花なんてもらったことなかった。満未は頷いて、「好き」って言った。相は、倒れそうになるのを、一生懸命堪えていた。
好きとは聞いていたけど、同じ意味だったなんて。神さまがくれた奇跡に感謝した。お花を受け取って、
「わかった」
と言ったら、満未が唇にぶつかってきた。キスだってわかって、相は倒れた。