俺の友達がバグってる(希結×那智)


「しかしよ、ひとし

 大がアイスバーをかじりながら、俺に尋ねる。放課後、今はふたりきりだ。

「なんだよ」

 固まりすぎのカップアイスをほじくりながら、俺も返す。

「希結の相手ってよ、見た感じアルファじゃね?」
「だよなあ」

 俺たちは希結と一番付き合いが長い。そんな俺らでも突っ込めなかったが、たぶん皆思ってることだ。

「希結に抱かれてーって人には見えなかったけど」
「やっぱ?」
「どうすんだろな?」

 下世話な話だけど、まあ気になるよな。だって、希結ってマジで女扱いされるの嫌いだもん。小等部のとき、色目使ってきた上級生をひと睨みで昏倒させたの、怖すぎて未だに覚えてるし、皆もそうだから希結におふざけでも女扱いしないもん。

「じゃあやっぱあの人がソッチってことか?」
「そうだろ」

 男として、アルファとして、ご愁傷さまだけど。希結を抱くのは無理だろ。命を引き換えにしても無理。

「でもさあ」
「おう」
「希結のあれは何なん?」
「お前……それは言いっこなしだろ」

 言うなよ〜いや言ってくれてありがとうかゆいところに手が届いたよ。しかし、好きなやつといる時の自分とかはできる限りダチや家族に見られたくない派の俺としては他人事ながら嫌な汗が出るわ。

「そうだけどよ。気にならん? 何であんな感じなわけ」
「まー……」
「もしかして、あの人にはソッチってこと?」
「いや、それはなくね」

 想像も恐ろしくて出来ねえよ。ここにいなくても鳥肌が止まらん。

「まあな。言ってみただけ」

 俺達は、アイスを溶かしながら、首をひねった。

「つーかあのチョーカーとかも気にならね?」
「それ言うなよ〜俺も気になるけど」

 これ以上は、やめとこう。そうは思うのだが、影が伸びるが如く、なんかこう、不安に引っ張られて、俺たちは話し続けた。
 ぼやっと浮かんでることが現実だと、正直怖いので、頭から消したかったのだ。


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