第二章 ~松陽~(83P)
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「危ないっ!」
目を見開いて見つめる者、あまりの怖さに目を覆う者。様々な反応をする子供たちだったが、その結果への驚きは皆同じだ。
パァン!
竹刀がぶつかる音が響き、柚希の竹刀が銀時の竹刀の軌道を逸らすと、二人して飛び下がる。すぐにまたお互いが走り込み竹刀が振られるも、どちらの体にも痣一つ付けられる事はない。
攻守共に互角の戦いを繰り広げる二人の姿に、気が付けば子供たち皆目を奪われていた。
「……スゲー……」
一人の少年が、目をキラキラと輝かせながら二人の戦いを見つめている。
「ほんとだね、しかも何だか楽しそうだし」
少女も、未だ少し怯えを残しながらも目が離せなくなっているようだ。
そうなると今度は新たな遊びに興味が移って行く。
「なぁ、どっちを応援する?」
子供たちの一人が声をあげた。
「俺は白髪の方!」
「そんじゃ俺はあの姉ちゃんな」
「私も女の子の方!」
「俺は断然男を応援するね」
「え~? 男の方はチビだし弱そうじゃねぇ?」
最後の声に思わず柚希がプッと吹き出すと、銀時のこめかみに青筋が立つ。
「誰がチビで弱いだと!? てめェら……後で覚えてろよっ!」
「え? やだ、シロってば実は気にしてた? 私より背が小さい事」
顔を真っ赤にして叫ぶ銀時に、わざわざ火に油を注ぐ発言をする柚希。
「っるせェ! 次は本気で行くからな、柚希!」
「望むところよ!」
更にヒートアップした戦いを繰り広げる二人に、見ている子供たちまで熱くなってきた。
「頑張れ、兄ちゃん!」
「お姉ちゃん負けないで〜!」
「いけいけ〜!」
竹刀がぶつかり合う音と、子供たちの歓声が境内の外まで響き渡れば、近くを通っていた大人も中を覗き込む。気が付けば、柚希と銀時の周りには人だかりができていた。
「……なかなかやるね、シロ」
「お前こそ、少しはやるようになったじゃねーか」
余裕の笑みを見せあってはいるが、さすがにそろそろ限界が近い。息は上がってしまっており、次の一撃が最後だとお互いが分かっている。
「……いざ」
「勝負ッ!」
叫ぶと同時に二人は、互いの竹刀を相手に向けて繰り出した。
パァンッ!
高く響いた音と、宙を舞う一本の竹刀。
カシャーン、と竹刀が地に落ち、一瞬辺りが静まり返ると――。
「わぁっ!」
その場にいた者たちが、大きな歓声を上げた。
目を見開いて見つめる者、あまりの怖さに目を覆う者。様々な反応をする子供たちだったが、その結果への驚きは皆同じだ。
パァン!
竹刀がぶつかる音が響き、柚希の竹刀が銀時の竹刀の軌道を逸らすと、二人して飛び下がる。すぐにまたお互いが走り込み竹刀が振られるも、どちらの体にも痣一つ付けられる事はない。
攻守共に互角の戦いを繰り広げる二人の姿に、気が付けば子供たち皆目を奪われていた。
「……スゲー……」
一人の少年が、目をキラキラと輝かせながら二人の戦いを見つめている。
「ほんとだね、しかも何だか楽しそうだし」
少女も、未だ少し怯えを残しながらも目が離せなくなっているようだ。
そうなると今度は新たな遊びに興味が移って行く。
「なぁ、どっちを応援する?」
子供たちの一人が声をあげた。
「俺は白髪の方!」
「そんじゃ俺はあの姉ちゃんな」
「私も女の子の方!」
「俺は断然男を応援するね」
「え~? 男の方はチビだし弱そうじゃねぇ?」
最後の声に思わず柚希がプッと吹き出すと、銀時のこめかみに青筋が立つ。
「誰がチビで弱いだと!? てめェら……後で覚えてろよっ!」
「え? やだ、シロってば実は気にしてた? 私より背が小さい事」
顔を真っ赤にして叫ぶ銀時に、わざわざ火に油を注ぐ発言をする柚希。
「っるせェ! 次は本気で行くからな、柚希!」
「望むところよ!」
更にヒートアップした戦いを繰り広げる二人に、見ている子供たちまで熱くなってきた。
「頑張れ、兄ちゃん!」
「お姉ちゃん負けないで〜!」
「いけいけ〜!」
竹刀がぶつかり合う音と、子供たちの歓声が境内の外まで響き渡れば、近くを通っていた大人も中を覗き込む。気が付けば、柚希と銀時の周りには人だかりができていた。
「……なかなかやるね、シロ」
「お前こそ、少しはやるようになったじゃねーか」
余裕の笑みを見せあってはいるが、さすがにそろそろ限界が近い。息は上がってしまっており、次の一撃が最後だとお互いが分かっている。
「……いざ」
「勝負ッ!」
叫ぶと同時に二人は、互いの竹刀を相手に向けて繰り出した。
パァンッ!
高く響いた音と、宙を舞う一本の竹刀。
カシャーン、と竹刀が地に落ち、一瞬辺りが静まり返ると――。
「わぁっ!」
その場にいた者たちが、大きな歓声を上げた。