第一章 ~再会~(49P)
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「落ち着いたか?」
あの後痛みがぶり返してしまった柚希は、追加の痛み止めが効くまで布団に横たわっていた。
その間銀時はと言うと、添い寝のごとく側で横になりながらジャンプを読んでいたわけで。このセリフも、ジャンプから目を話すことなく発せられている。
「人が苦しんでる時に、漫画読んで笑ってた人が言うセリフかしらね」
薬のおかげでだいぶ楽になってきたのだろう。柚希の舌も饒舌になってきていた。
だがあばらは折れてはいなかったものの、しっかりとヒビが入っていたらしく、暫くは安静にしていなければならない。
横で笑い転げる銀時を恨めしそうに睨みつけながら、柚希は言った。
「側にいるなら、もう少し心配そうにしても良いんじゃないの?」
「悲壮感を漂わせながら、オロオロされるよりよっぽど良いだろ」
パタリとジャンプを閉じた銀時は、「よっこいせ」と気怠そうに立ち上がると部屋を出る。戻った時には、お盆にプリンを二つ乗せていた。
「どうせお前のことだから、さっさと本題に入りたいだろ。銀さんのとっときのプリンでも食べながら話すとしようぜ」
体を気遣ってか、蓋を取って渡してくれた銀時に、疑いの眼を向けながらも柚希が手を伸ばす。
「毒や自白剤なんか入れてないでしょうね」
「銀さんは、甘いものに対してそんな冒涜は致しませーん。疑うなら……」
銀時が小さくニヤリと笑う。そして何故か自分のスプーンで柚希のプリンを掬い取ると、当たり前のように自らの口に入れた。
その直後。
「ん」
何が起こったのか理解する間も無く、口の中に広がる甘い味。柚希の目が驚きで見開かれるのを見て、銀時は満足そうな表情だ。
「甘ぇ」
最後に柚希の唇をペロリと舐めれば、柚希の顔がボンッと真っ赤に染まる。
「あ……なっ、くっ、ちょっ」
「同じモンを食べれば、信じられるっしょ?」
既に何事も無かったかのように、自分のプリンを食べ始めている銀時が憎らしい。
手の甲で唇を押さえて視線を泳がせる柚希を見ながら食べるプリンはまた格別なのだろう。
「未だ心配なら、全部味見してやっても良いぜ」
ニヤニヤと笑いながら、再び柚希のプリンに手を伸ばしてきた銀時をはたき、プリンを守るように身をよじる。一瞬痛みに息が詰まったが、それを気取られないよう柚希は必死に取り繕った。
「ふざけないで! 何よこれ、新手の拷問?」
「せっかくの好意をそんな風にとるなんて酷いなぁ。銀さん傷付いちゃった」
わざとらしく泣きまねをする姿は、どこからどう見ても傷一つ付いたようには見えない。むしろ面白がっているだけという印象が強まるばかりで、いい加減柚希は我慢の限界だった。
あの後痛みがぶり返してしまった柚希は、追加の痛み止めが効くまで布団に横たわっていた。
その間銀時はと言うと、添い寝のごとく側で横になりながらジャンプを読んでいたわけで。このセリフも、ジャンプから目を話すことなく発せられている。
「人が苦しんでる時に、漫画読んで笑ってた人が言うセリフかしらね」
薬のおかげでだいぶ楽になってきたのだろう。柚希の舌も饒舌になってきていた。
だがあばらは折れてはいなかったものの、しっかりとヒビが入っていたらしく、暫くは安静にしていなければならない。
横で笑い転げる銀時を恨めしそうに睨みつけながら、柚希は言った。
「側にいるなら、もう少し心配そうにしても良いんじゃないの?」
「悲壮感を漂わせながら、オロオロされるよりよっぽど良いだろ」
パタリとジャンプを閉じた銀時は、「よっこいせ」と気怠そうに立ち上がると部屋を出る。戻った時には、お盆にプリンを二つ乗せていた。
「どうせお前のことだから、さっさと本題に入りたいだろ。銀さんのとっときのプリンでも食べながら話すとしようぜ」
体を気遣ってか、蓋を取って渡してくれた銀時に、疑いの眼を向けながらも柚希が手を伸ばす。
「毒や自白剤なんか入れてないでしょうね」
「銀さんは、甘いものに対してそんな冒涜は致しませーん。疑うなら……」
銀時が小さくニヤリと笑う。そして何故か自分のスプーンで柚希のプリンを掬い取ると、当たり前のように自らの口に入れた。
その直後。
「ん」
何が起こったのか理解する間も無く、口の中に広がる甘い味。柚希の目が驚きで見開かれるのを見て、銀時は満足そうな表情だ。
「甘ぇ」
最後に柚希の唇をペロリと舐めれば、柚希の顔がボンッと真っ赤に染まる。
「あ……なっ、くっ、ちょっ」
「同じモンを食べれば、信じられるっしょ?」
既に何事も無かったかのように、自分のプリンを食べ始めている銀時が憎らしい。
手の甲で唇を押さえて視線を泳がせる柚希を見ながら食べるプリンはまた格別なのだろう。
「未だ心配なら、全部味見してやっても良いぜ」
ニヤニヤと笑いながら、再び柚希のプリンに手を伸ばしてきた銀時をはたき、プリンを守るように身をよじる。一瞬痛みに息が詰まったが、それを気取られないよう柚希は必死に取り繕った。
「ふざけないで! 何よこれ、新手の拷問?」
「せっかくの好意をそんな風にとるなんて酷いなぁ。銀さん傷付いちゃった」
わざとらしく泣きまねをする姿は、どこからどう見ても傷一つ付いたようには見えない。むしろ面白がっているだけという印象が強まるばかりで、いい加減柚希は我慢の限界だった。