第一章 ~再会~(49P)
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未だ配備している隊士たちは、ここに自分たちがいることに気付いてはいない。念のため周辺の気配を確認すると銀時に目で合図をし、すぐ側にある倉庫へ行けと促した。
中に入ってもう一度周辺を確認すると、だるそうにポケットから煙草とマヨライターを出す。
煙を吸い込み、大きく白を吐き出した土方は、柚希を見ながら言った。
「こないだ薬局で会った時、どこかで会ったことが無いかと聞いたのを覚えているか?」
「覚えています。でも私が貴方とお会いしたのは今回で二度目です」
「それが二度目じゃねェんだな。半年前に会ってんだよ」
土方が、探るように柚希の目を見つめる。だが本当に覚えのない柚希は首をかしげる事しかできない。
「副長さんよォ、それは間違いなくコイツだったのか? 別人ってこたァねェのかよ」
相変わらず柚希をかばうように立ちながら、銀時が言う。しかし土方は首を横に振った。
「間違いねェはずだ。あン時も目の前で自己紹介されてるしな。俺も職業柄、人の顔と名前は忘れねーよ」
「その辺順を追って話せよ。俺たちゃ聞く権利があると思うぜ」
「馬鹿か。女はまだしも、何でテメェに権利があんだよ。部外者だろうが」
「本気でそう思ってたら、こんなとこに移動させなくね? お前ン中で、何か引っかかってんだろ?」
「……チッ」
大きく舌打ちをした土方は、もう一度煙を深く吸い込む。煙を銀時に吹き付け、「うわっ、けむてェなコノヤロー!」とワタワタする姿を見る事でほんの少しだけ留飲を下げると、仕方なさそうに話し始めた。
「この女の捕縛命令が出たのは2時間ほど前だ。ご丁寧に、カラクリのジジイんとこで張ってりゃ来るという指示付きでな。だが命令の内容はそれだけじゃなかった」
「どういうことだ?」
「罪状について知らぬ存ぜぬを通すだろうが、問答無用で捕まえろ。抵抗するなら荒っぽい事をしても構わない。五体満足である必要はないが、命だけは取るな。捕縛後は屯所で待て。天人が引き取りに来る……だとよ」
そこまで言った土方は、柚希をじっと見つめた。
「命令の中には犯人の詳細について詮索はするなともあったが、こんな少ない情報にも関わらず、内容には胡散臭ェ所が多すぎる。大体小娘一人しょっ引くだけの為に、真選組総出でかかれってのが納得いかねェ。こんな異様な扱いを受けるお前は何者だ? こっちの手は明かしたんだ。今度はそっちが吐きやがれ」
土方の言葉に、柚希が考え込む。この男に何をどこまで話せばいいのか、そもそも信用をしても良いのかすら分からない。ただ間違いなく言えるのは、前にも答えた『過去に会った記憶はない』という事のみだ。
戸惑いの中、銀時を見上げる。柚希の不安を察した銀時が小さく頷いて見せれば、柚希も頷き返した。
土方に向き直った柚希がかい摘まんで出会いからこれまでの経緯を説明すると、土方の顔に困惑の色が浮かんでくる。覚えていない過去が何者かによって操作された結果というのは、俄かに信じられなかった。
中に入ってもう一度周辺を確認すると、だるそうにポケットから煙草とマヨライターを出す。
煙を吸い込み、大きく白を吐き出した土方は、柚希を見ながら言った。
「こないだ薬局で会った時、どこかで会ったことが無いかと聞いたのを覚えているか?」
「覚えています。でも私が貴方とお会いしたのは今回で二度目です」
「それが二度目じゃねェんだな。半年前に会ってんだよ」
土方が、探るように柚希の目を見つめる。だが本当に覚えのない柚希は首をかしげる事しかできない。
「副長さんよォ、それは間違いなくコイツだったのか? 別人ってこたァねェのかよ」
相変わらず柚希をかばうように立ちながら、銀時が言う。しかし土方は首を横に振った。
「間違いねェはずだ。あン時も目の前で自己紹介されてるしな。俺も職業柄、人の顔と名前は忘れねーよ」
「その辺順を追って話せよ。俺たちゃ聞く権利があると思うぜ」
「馬鹿か。女はまだしも、何でテメェに権利があんだよ。部外者だろうが」
「本気でそう思ってたら、こんなとこに移動させなくね? お前ン中で、何か引っかかってんだろ?」
「……チッ」
大きく舌打ちをした土方は、もう一度煙を深く吸い込む。煙を銀時に吹き付け、「うわっ、けむてェなコノヤロー!」とワタワタする姿を見る事でほんの少しだけ留飲を下げると、仕方なさそうに話し始めた。
「この女の捕縛命令が出たのは2時間ほど前だ。ご丁寧に、カラクリのジジイんとこで張ってりゃ来るという指示付きでな。だが命令の内容はそれだけじゃなかった」
「どういうことだ?」
「罪状について知らぬ存ぜぬを通すだろうが、問答無用で捕まえろ。抵抗するなら荒っぽい事をしても構わない。五体満足である必要はないが、命だけは取るな。捕縛後は屯所で待て。天人が引き取りに来る……だとよ」
そこまで言った土方は、柚希をじっと見つめた。
「命令の中には犯人の詳細について詮索はするなともあったが、こんな少ない情報にも関わらず、内容には胡散臭ェ所が多すぎる。大体小娘一人しょっ引くだけの為に、真選組総出でかかれってのが納得いかねェ。こんな異様な扱いを受けるお前は何者だ? こっちの手は明かしたんだ。今度はそっちが吐きやがれ」
土方の言葉に、柚希が考え込む。この男に何をどこまで話せばいいのか、そもそも信用をしても良いのかすら分からない。ただ間違いなく言えるのは、前にも答えた『過去に会った記憶はない』という事のみだ。
戸惑いの中、銀時を見上げる。柚希の不安を察した銀時が小さく頷いて見せれば、柚希も頷き返した。
土方に向き直った柚希がかい摘まんで出会いからこれまでの経緯を説明すると、土方の顔に困惑の色が浮かんでくる。覚えていない過去が何者かによって操作された結果というのは、俄かに信じられなかった。