第一章 ~再会~(49P)
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あれから数日、源外からの連絡はなく。
柚希もさすがに疲れが出たのか軽い発熱が続き、暫くは万事屋で大人しく過ごしていた。
とは言え、何もしないでゴロゴロしていられるようなタイプではない。居候をさせてもらってるんだから、と神楽や新八の家事の手伝いをしていた。
お陰でこの数日の食事には、品数は少ないながらも『食事』として成り立つ物が毎食並べられるようになっている。
「初めての朝食には、驚かされたのよね~」
今日の食事当番は新八だ。二人で和気あいあいと食事の準備をする最中、柚希が言った。
「ああ、TKGですよね」
「そうそう。神楽ちゃんが『ほっぺたが落ちるほど美味い最強料理を教えるネ! 名付けてTKG!』って力強く言ったから、どんな料理なのかとドキドキしてたんだけど、出来上がりを見た時の衝撃ったら無かったわ」
今でも思い出せば吹き出してしまう、あの料理。
炊飯器一杯に炊いたご飯と、ボウルから落ちそうになるほどに積み上げられた生卵、そしてだし醤油をテーブルに置いてドヤ顔を見せる神楽は、小さな子供が初めてお母さんにご飯を作って見せた時のような愛らしさだった。
「銀時がそれを見てうんざりしてたから後で聞いたら、神楽ちゃんがお当番の時は毎食あのメニューだったのね。もうおかしくておかしくて」
TKG。卵かけご飯は確かに美味しいが、同じものが続けばさすがに飽きが来てしまう。銀時の気持ちは分からなくもなかった。
「でも一番驚いたのは、朝食タイム後半の神楽ちゃんよね。まさか炊飯器のご飯にしゃもじで直接アタックするとは思わなかったわ」
「あれはもうお約束なんです。ある意味神楽ちゃんの茶碗ですからね」
盛大にため息を吐く新八だがそれは決して嫌なものではなく、困った妹に対する兄を彷彿とさせるものだ。新八にとって神楽は、なんだかんだと可愛い存在なのだろう。
そんな新八に、柚希は優しい微笑みを見せる。その表情に思わず息を飲んだ新八の頬は、少し赤らんでいた。
「……銀さんが柚希さんにご執心な気持ち、分かる気がするなぁ」
「え? どういうこと?」
突然の話題転換に、柚希が困惑する。作業の手を止めて聞くと、慌てたように新八は挙動不審な態度を見せた。
「いや、だからその……えっと……」
汗をかきながらモジモジとしている新八だったが、
「言いにくい事かな? 無理にとは言わないけど、良ければ聞かせてくれる?」
と優しく尋ねられれば、ノーとは言えない気分にさせられる。
「参ったなぁ……銀さんにはこれを話した事、秘密にしといて下さいよ」
そう前置きして言われた話は、柚希の想像していなかったものだった。
柚希もさすがに疲れが出たのか軽い発熱が続き、暫くは万事屋で大人しく過ごしていた。
とは言え、何もしないでゴロゴロしていられるようなタイプではない。居候をさせてもらってるんだから、と神楽や新八の家事の手伝いをしていた。
お陰でこの数日の食事には、品数は少ないながらも『食事』として成り立つ物が毎食並べられるようになっている。
「初めての朝食には、驚かされたのよね~」
今日の食事当番は新八だ。二人で和気あいあいと食事の準備をする最中、柚希が言った。
「ああ、TKGですよね」
「そうそう。神楽ちゃんが『ほっぺたが落ちるほど美味い最強料理を教えるネ! 名付けてTKG!』って力強く言ったから、どんな料理なのかとドキドキしてたんだけど、出来上がりを見た時の衝撃ったら無かったわ」
今でも思い出せば吹き出してしまう、あの料理。
炊飯器一杯に炊いたご飯と、ボウルから落ちそうになるほどに積み上げられた生卵、そしてだし醤油をテーブルに置いてドヤ顔を見せる神楽は、小さな子供が初めてお母さんにご飯を作って見せた時のような愛らしさだった。
「銀時がそれを見てうんざりしてたから後で聞いたら、神楽ちゃんがお当番の時は毎食あのメニューだったのね。もうおかしくておかしくて」
TKG。卵かけご飯は確かに美味しいが、同じものが続けばさすがに飽きが来てしまう。銀時の気持ちは分からなくもなかった。
「でも一番驚いたのは、朝食タイム後半の神楽ちゃんよね。まさか炊飯器のご飯にしゃもじで直接アタックするとは思わなかったわ」
「あれはもうお約束なんです。ある意味神楽ちゃんの茶碗ですからね」
盛大にため息を吐く新八だがそれは決して嫌なものではなく、困った妹に対する兄を彷彿とさせるものだ。新八にとって神楽は、なんだかんだと可愛い存在なのだろう。
そんな新八に、柚希は優しい微笑みを見せる。その表情に思わず息を飲んだ新八の頬は、少し赤らんでいた。
「……銀さんが柚希さんにご執心な気持ち、分かる気がするなぁ」
「え? どういうこと?」
突然の話題転換に、柚希が困惑する。作業の手を止めて聞くと、慌てたように新八は挙動不審な態度を見せた。
「いや、だからその……えっと……」
汗をかきながらモジモジとしている新八だったが、
「言いにくい事かな? 無理にとは言わないけど、良ければ聞かせてくれる?」
と優しく尋ねられれば、ノーとは言えない気分にさせられる。
「参ったなぁ……銀さんにはこれを話した事、秘密にしといて下さいよ」
そう前置きして言われた話は、柚希の想像していなかったものだった。