第四章 〜絆〜(連載中)
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状況を分かっているだけにかけ直すことはできず、仕方なく銀時も受話器を置く。そして緒方の言葉を反芻していると、ふと横から視線を感じた。見れば座ったままの柚希が自分を見上げている。
「……何だよ、未だ話し足りなかったのか? っつっても、向こうが忙しいって切っちまったからな」」
「ううん、そうじゃなくて……何だか会話の雰囲気がおかしかったし、長生きとかにおいっていうのが気になったから、どういう話だったのかなと思って」
傍にいても、緒方の声は聞きとれなかったらしい。あまり良い話では無いと感じていたのか、柚希は不安げだ。
すると銀時が答える。
「あー、加齢臭の話か。今頃になって気になり出したみてーでよ。銀さんですら神楽に『おっさん臭がする』とか言われてんのに、俺の何倍も生きてる緒方のおっさんが無臭のはずねーよなァ」
「そう……なの?」
事も無げに言われ、一瞬納得しそうになった。しかしいくらなんでも脈絡が無さすぎるから。
「そんな話には聞こえなかったけど」
「んじゃどういう話だよ。ちなみに長生き云々は、おっさんは図太いから長生きすんだろって話な」
「……ホントに?」
誰よりも深い繋がりがあるからこそ感じる違和感が、柚希に疑念を抱かせている。どこまでが本当なのかを探ろうと、まっすぐに目を見てくる柚希に困った銀時は、ほんの一瞬視線を下げた。だが何かに気付いたかのようにハッとして「……そう言うことか」と呟くと、再び柚希に視線を戻す。そして「銀さんが嘘ついてるとでも?」と言って前屈みになり、そのまま柚希に顔を近づけた。
「ってこたァ何か? 柚希は銀さんのことが信じらんねーわけだ」
からかうように意地の悪い笑みを浮かべた銀時が、柚希の顎に指をかけてクイと持ち上げる。その意味に気づいた柚希が身を引こうとするも、銀時は許さなかった。
「……っ」
額に触れた熱が、抗議しようと口を開きかけた柚希に沈黙を強いる。
「せっかく久しぶりに会えたってのに、真っ先に気にかけたのは緒方のおっさんで。しかも今度は銀さんを疑ってるときたもんだ。これにはさすがの銀さんもハートブレイクなんだわ」
茶化しながらもまぶたと頬に熱を分け、最後に目指したのは、言わずもがな。
「壊れちまった銀さんのガラスのハート、責任持って治してくれよな、柚希セ・ン・セ」
「ちょっとまっ……んっ……」
紡ぎきれない言葉が甘い吐息となり、銀時に飲み込まれる。代わりに差し込まれた銀時の舌が歯列を割るのと、柚希の舌先が吸われ絡まるのに時差はなかった。
突然のことで戸惑いやためらいがあったにも拘らず受け入れてしまったのは、柚希の心を占めている銀時への強い想い故。
「ん……うん……っ」
銀時の舌の動きに合わせて全身を駆け巡る、痺れるような快感。
──話を逸らさないで
そう言わなければならないと頭では分かっていても、柚希の心と体は熱を帯びていくばかり。
「シロ……だ、め……」
ようやく解放された唇が紡いだのは、なけなしの抵抗。しかしその瞳は潤んでおり、功を成すことはない。
「ダメっつー割には、蕩けた顔してんぞ」
言いながら柚希の唇を濡らす唾液を指で拭う。そしてニヤリといやらしい笑みを浮かべ、柚希に見せつけるようにその指に舌を這わせた。
「……何だよ、未だ話し足りなかったのか? っつっても、向こうが忙しいって切っちまったからな」」
「ううん、そうじゃなくて……何だか会話の雰囲気がおかしかったし、長生きとかにおいっていうのが気になったから、どういう話だったのかなと思って」
傍にいても、緒方の声は聞きとれなかったらしい。あまり良い話では無いと感じていたのか、柚希は不安げだ。
すると銀時が答える。
「あー、加齢臭の話か。今頃になって気になり出したみてーでよ。銀さんですら神楽に『おっさん臭がする』とか言われてんのに、俺の何倍も生きてる緒方のおっさんが無臭のはずねーよなァ」
「そう……なの?」
事も無げに言われ、一瞬納得しそうになった。しかしいくらなんでも脈絡が無さすぎるから。
「そんな話には聞こえなかったけど」
「んじゃどういう話だよ。ちなみに長生き云々は、おっさんは図太いから長生きすんだろって話な」
「……ホントに?」
誰よりも深い繋がりがあるからこそ感じる違和感が、柚希に疑念を抱かせている。どこまでが本当なのかを探ろうと、まっすぐに目を見てくる柚希に困った銀時は、ほんの一瞬視線を下げた。だが何かに気付いたかのようにハッとして「……そう言うことか」と呟くと、再び柚希に視線を戻す。そして「銀さんが嘘ついてるとでも?」と言って前屈みになり、そのまま柚希に顔を近づけた。
「ってこたァ何か? 柚希は銀さんのことが信じらんねーわけだ」
からかうように意地の悪い笑みを浮かべた銀時が、柚希の顎に指をかけてクイと持ち上げる。その意味に気づいた柚希が身を引こうとするも、銀時は許さなかった。
「……っ」
額に触れた熱が、抗議しようと口を開きかけた柚希に沈黙を強いる。
「せっかく久しぶりに会えたってのに、真っ先に気にかけたのは緒方のおっさんで。しかも今度は銀さんを疑ってるときたもんだ。これにはさすがの銀さんもハートブレイクなんだわ」
茶化しながらもまぶたと頬に熱を分け、最後に目指したのは、言わずもがな。
「壊れちまった銀さんのガラスのハート、責任持って治してくれよな、柚希セ・ン・セ」
「ちょっとまっ……んっ……」
紡ぎきれない言葉が甘い吐息となり、銀時に飲み込まれる。代わりに差し込まれた銀時の舌が歯列を割るのと、柚希の舌先が吸われ絡まるのに時差はなかった。
突然のことで戸惑いやためらいがあったにも拘らず受け入れてしまったのは、柚希の心を占めている銀時への強い想い故。
「ん……うん……っ」
銀時の舌の動きに合わせて全身を駆け巡る、痺れるような快感。
──話を逸らさないで
そう言わなければならないと頭では分かっていても、柚希の心と体は熱を帯びていくばかり。
「シロ……だ、め……」
ようやく解放された唇が紡いだのは、なけなしの抵抗。しかしその瞳は潤んでおり、功を成すことはない。
「ダメっつー割には、蕩けた顔してんぞ」
言いながら柚希の唇を濡らす唾液を指で拭う。そしてニヤリといやらしい笑みを浮かべ、柚希に見せつけるようにその指に舌を這わせた。