第三章 〜夜叉〜(70P)
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「話したくないわけじゃないよ。聞いて欲しい気持ちはあるの。でも……怖いんだ」
「怖い?」
「全てを話したら、シロに嫌われてしまいそうで」
「んなこたァねーだろ。俺が柚希を嫌いになるなんて、天地がひっくり返ってもありえねーよ。それとも俺が信じられないってか?」
柚希の頬に手を当て、親指で頬を撫でる。心から愛おしいのだという思いが伝わってきて、柚希は目を細めた。
「シロの気持ちを信じてないわけじゃ無いし、きっと何を聞いても私を好きでいようとしてくれるんだろうとは思うよ」
「だったら話しちまえば良いだろ」
「そうなんだけど……」
再び口を噤む柚希。その様子をしばらく見つめていた銀時だったが、やがて頬を撫でていた指をゆっくりと移動させ、柚希の唇に触れた。そのままゆっくりと唇を開かせるように指を挿し込んでいく。
「ん……っ」
思わず頭を引こうとする柚希を逃がさぬようにしっかりと抱きしめた銀時は、更に指を深く挿し込むと、柚希の舌に絡めるように指を動かした。
「……姫」
記憶を取り戻して以降呼ばれていなかったその名に、柚希が思わず大きく息を吸った瞬間を見逃さず、指を抜いて唇を重ねる。代わりに差し込まれた舌が口内をまさぐれば、柚希の全身にゾクリとした電流が走り抜けた。
「はっ……んぅ……ぁ……っ」
深く激しい口付けは、柚希を脱力させていく。飲み込み切れなかった唾液が口の端から伝い漏れる頃には、柚希の体はぐったりと銀時にもたれかかっていた。
「こんなのって……ズルい、よ。シロ……」
上がってしまった息を整えようとしている柚希の頬は赤く染まり、瞳も潤んで蕩けている。そんな柚希をやはり愛おしそうに見つめながら、銀時は言った。
「『姫』が緊張してるみてェだから、少しほぐしてやろうと思ってよ」
「緊張をほぐすだけなら、このキスはいらないでしょ!……っていうか、未だ覚えてたんだね」
「当たり前だろ。今考えりゃ何の根拠も無いガキのまじないのようなモンだが、あの時の俺たちは真剣だったからな。夜叉と名乗っていた俺たちが、奮起して前に進むための……決して命を粗末にしないという血の誓いだ」
「あの頃は毎日が死と隣り合わせだったから、心の拠り所が欲しかったってのもあるけど、命の危険の無い今、ここまでする必要がどこにあるのよ。ほら、舌を見せて!」
怒ったように言いながら、柚希が銀時の頬を両手で挟み込む。素直に口を開けた銀時の舌先には、小さな血の玉が浮かんでいた。
「怖い?」
「全てを話したら、シロに嫌われてしまいそうで」
「んなこたァねーだろ。俺が柚希を嫌いになるなんて、天地がひっくり返ってもありえねーよ。それとも俺が信じられないってか?」
柚希の頬に手を当て、親指で頬を撫でる。心から愛おしいのだという思いが伝わってきて、柚希は目を細めた。
「シロの気持ちを信じてないわけじゃ無いし、きっと何を聞いても私を好きでいようとしてくれるんだろうとは思うよ」
「だったら話しちまえば良いだろ」
「そうなんだけど……」
再び口を噤む柚希。その様子をしばらく見つめていた銀時だったが、やがて頬を撫でていた指をゆっくりと移動させ、柚希の唇に触れた。そのままゆっくりと唇を開かせるように指を挿し込んでいく。
「ん……っ」
思わず頭を引こうとする柚希を逃がさぬようにしっかりと抱きしめた銀時は、更に指を深く挿し込むと、柚希の舌に絡めるように指を動かした。
「……姫」
記憶を取り戻して以降呼ばれていなかったその名に、柚希が思わず大きく息を吸った瞬間を見逃さず、指を抜いて唇を重ねる。代わりに差し込まれた舌が口内をまさぐれば、柚希の全身にゾクリとした電流が走り抜けた。
「はっ……んぅ……ぁ……っ」
深く激しい口付けは、柚希を脱力させていく。飲み込み切れなかった唾液が口の端から伝い漏れる頃には、柚希の体はぐったりと銀時にもたれかかっていた。
「こんなのって……ズルい、よ。シロ……」
上がってしまった息を整えようとしている柚希の頬は赤く染まり、瞳も潤んで蕩けている。そんな柚希をやはり愛おしそうに見つめながら、銀時は言った。
「『姫』が緊張してるみてェだから、少しほぐしてやろうと思ってよ」
「緊張をほぐすだけなら、このキスはいらないでしょ!……っていうか、未だ覚えてたんだね」
「当たり前だろ。今考えりゃ何の根拠も無いガキのまじないのようなモンだが、あの時の俺たちは真剣だったからな。夜叉と名乗っていた俺たちが、奮起して前に進むための……決して命を粗末にしないという血の誓いだ」
「あの頃は毎日が死と隣り合わせだったから、心の拠り所が欲しかったってのもあるけど、命の危険の無い今、ここまでする必要がどこにあるのよ。ほら、舌を見せて!」
怒ったように言いながら、柚希が銀時の頬を両手で挟み込む。素直に口を開けた銀時の舌先には、小さな血の玉が浮かんでいた。