第三章 〜夜叉〜(70P)
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「そんじゃ、お前たちは何の為に強くなりてぇんだ?」
「決まってんだろ。柚希が狙われてんだったら護ってやんなきゃいけねー。べ、別に柚希だから護るってわけじゃねーからな! そんでもってあとは、松陽を連れ戻す。その為には強さが必要だ」
「……嬢ちゃんを護るのと、松陽って奴を連れ戻すのは、一緒にできる事なのか? そもそも嬢ちゃんがどこに行ったかなんて、坊主に分かるのかよ」
「分かるさ」
先程柚希が走り去って行った方向を見ながら、銀時は言った。
「柚希は、一人で戦場に行けるよう以前から準備を整えていたみてェだしな。あいつのリュックん中、おっさんの作った扇子が何本も入ってたぜ。ここから姿を消した今、向かう場所は一つしかねェ」
「つまりこのまま攘夷戦争に参戦する、と」
畑中の言葉に、銀時がコクリと頷く。
「認めたくはねぇが、その予想は当たってんだろうよ。だからお前さん達も強くなって、嬢ちゃんの所に行きたいってんだな」
「ああ、それも出来るだけ早く。戦場を経験してるおっさんなら、今の俺たちに足りない物や、何をすれば良いかが分かるだろ」
迷いのない三つの真っ直ぐな眼差しが、畑中に集中する。これは何を言っても無駄だと分かり、畑中は再び大きなため息を吐いた。
「大人としては、あんま気乗りしねぇんだがな。かと言って放っておいたら今の実力のまま飛び込んでいっちまいそうだし……仕方ねぇ。俺の持ち得る知識と技術を、出来る限り最短で叩きこんでやる。その代わり文句を言わず、死に物狂いでついて来いよ」
「ったりめェだ。俺たちゃ若いからな。あっという間におっさんを超えてやんぜ」
自信ありげに言った銀時に同意するように、高杉と桂も頷く。
「くっそ生意気なガキたちだな」
苦笑いをしながらも、畑中は少し楽しそうだった。
――何なんだろうな……こいつらを見てると、きっと何とかなるだろうと思っちまう。こんなガキに、俺は何を期待してんだか。
「そんじゃ、まずは改めてお前らの実力を試してやる。各々の特性を見て、何を伸ばすかを考えてやるから本気でかかってこいよ」
懐に入れていた、柚希に渡すつもりでいた新しい扇子を取り出す。
「何? おっさんも扱えんのか?」
「ったりまえだろうが。作ってんのは俺だぞ。作り手が扱えなくてどうすんだよ」
畑中の手には少し小さい扇子が開かれると、真っ先に銀時が腰の竹刀を抜いて構えた。
「決まってんだろ。柚希が狙われてんだったら護ってやんなきゃいけねー。べ、別に柚希だから護るってわけじゃねーからな! そんでもってあとは、松陽を連れ戻す。その為には強さが必要だ」
「……嬢ちゃんを護るのと、松陽って奴を連れ戻すのは、一緒にできる事なのか? そもそも嬢ちゃんがどこに行ったかなんて、坊主に分かるのかよ」
「分かるさ」
先程柚希が走り去って行った方向を見ながら、銀時は言った。
「柚希は、一人で戦場に行けるよう以前から準備を整えていたみてェだしな。あいつのリュックん中、おっさんの作った扇子が何本も入ってたぜ。ここから姿を消した今、向かう場所は一つしかねェ」
「つまりこのまま攘夷戦争に参戦する、と」
畑中の言葉に、銀時がコクリと頷く。
「認めたくはねぇが、その予想は当たってんだろうよ。だからお前さん達も強くなって、嬢ちゃんの所に行きたいってんだな」
「ああ、それも出来るだけ早く。戦場を経験してるおっさんなら、今の俺たちに足りない物や、何をすれば良いかが分かるだろ」
迷いのない三つの真っ直ぐな眼差しが、畑中に集中する。これは何を言っても無駄だと分かり、畑中は再び大きなため息を吐いた。
「大人としては、あんま気乗りしねぇんだがな。かと言って放っておいたら今の実力のまま飛び込んでいっちまいそうだし……仕方ねぇ。俺の持ち得る知識と技術を、出来る限り最短で叩きこんでやる。その代わり文句を言わず、死に物狂いでついて来いよ」
「ったりめェだ。俺たちゃ若いからな。あっという間におっさんを超えてやんぜ」
自信ありげに言った銀時に同意するように、高杉と桂も頷く。
「くっそ生意気なガキたちだな」
苦笑いをしながらも、畑中は少し楽しそうだった。
――何なんだろうな……こいつらを見てると、きっと何とかなるだろうと思っちまう。こんなガキに、俺は何を期待してんだか。
「そんじゃ、まずは改めてお前らの実力を試してやる。各々の特性を見て、何を伸ばすかを考えてやるから本気でかかってこいよ」
懐に入れていた、柚希に渡すつもりでいた新しい扇子を取り出す。
「何? おっさんも扱えんのか?」
「ったりまえだろうが。作ってんのは俺だぞ。作り手が扱えなくてどうすんだよ」
畑中の手には少し小さい扇子が開かれると、真っ先に銀時が腰の竹刀を抜いて構えた。