第一章 ~再会~(49P)
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朝を迎え、窓から差し込む日の光で目覚めた柚希は、少しの間ぼんやりと天井を見つめていた。どうやら未だ寝ぼけているらしい。もそもそと布団の中で体を動かしながら、小さくブツブツと呟いている。
「あれぇ? なんかいつもと天井が違う……今日の仕事って何だったっけ……ここって一体……」
この後やらなければいけない事を確認しなければと考えながら、何とはなしに体を横へと向けた時だった。
「ひっ!」
突如目の前に現れた顔に、思わず体が硬直してしまう。
よくよく見ると、それはだらしなくよだれを垂らしながら寝ている銀時の顔だった。どうやら寝相が悪く、隣の布団からこちらへと転がり込んできてしまったらしい。
驚きのあまり半ばパニックになりながらも、銀時を起こさぬようゆっくりと後ろに下がって布団から出ると、柚希は大きく息を吐いた。
「あーもーびっくりした……心臓に悪いったら無いわ。そういやコイツの家に厄介になる事にしたんだっけ」
柚希の驚きなどまるで気付かず、気持ち良さそうに寝ている銀時。その姿を恨めしそうに見ていた柚希だったが、何故か不思議な感情が沸き上がってきた事に気付く。
「何だろうこの感じ……なーんか憎めないんだよなぁ」
大の男に言う言葉ではないが、眠っている銀時の顔が何故か可愛く思えているのだ。布団から出てしまっていたためか、一つくしゃみをした銀時にそっと布団をかけてやると、その感情が更に大きくなった。
「考えてみれば、当たり前のように隣に布団を並べても嫌悪感は無かったんだよな~。新八君にも貞操だなんだとは言われた割に、あまり警戒はしてなかったかも」
体が温かくなった事で寝心地が良くなったのか、ますます幸せそうに眠る銀時を柚希はしばらく見つめていた。その顔には銀時と出会ってから初めて見せる、とても優しい笑みが浮かんでいる事に本人は気付いていない。
「それにしても、白い髪って結構珍しいんじゃないのかなぁ? しかもがっつり癖っ毛で」
そう言って、柚希はそっと銀時の髪に手を伸ばす。触れた髪は思っていたよりも柔らかかったようで、柚希の目が大きく開いた。
「やだ、意外とモフモフしてて気持ち良い! 何だろうコレ……そう、犬っころみたいっていうのかなぁ。真っ白いからシロ。シロちゃんって感じ?」
フフッと幸せそうに触り心地を堪能しながら、「シーロちゃん、なんつって」と小さく口にした時だった。
「柚希っ!?」
跳ねるように飛び起きた銀時が突然叫ぶ。思わず驚いて飛び下がった柚希が目にしたのは、目を見開いて柚希を見つめている銀時の姿だった。
「思い出したのか? 柚希!」
「え? 何? 思い出すって何を……」
「今俺の事呼んだだろ!」
「いや、別に呼んでないし。銀時の髪が白くてモフモフしてたから、シロちゃんって言ってみただけで……って言うか、何でそんなに『シロ』にこだわってんの?」
銀時の必死さは、逆に柚希を冷静にさせたようだ。凄まじい剣幕の銀時に気圧される事なく、柚希は落ち着いて尋ねた。
「夕べも言ってたよね。何か深い意味でもあるの? それとも実はNGワードとか?」
「マジかよ……記憶はなくても言う事は同じってか」
柚希の問いから少々ずれた答えを返す銀時の表情は、またしても悲しげな物で。自分がここまでこの男を一喜一憂させる存在だったのかと思うと、柚希は過去の自分が少し羨ましく思えた。
「あれぇ? なんかいつもと天井が違う……今日の仕事って何だったっけ……ここって一体……」
この後やらなければいけない事を確認しなければと考えながら、何とはなしに体を横へと向けた時だった。
「ひっ!」
突如目の前に現れた顔に、思わず体が硬直してしまう。
よくよく見ると、それはだらしなくよだれを垂らしながら寝ている銀時の顔だった。どうやら寝相が悪く、隣の布団からこちらへと転がり込んできてしまったらしい。
驚きのあまり半ばパニックになりながらも、銀時を起こさぬようゆっくりと後ろに下がって布団から出ると、柚希は大きく息を吐いた。
「あーもーびっくりした……心臓に悪いったら無いわ。そういやコイツの家に厄介になる事にしたんだっけ」
柚希の驚きなどまるで気付かず、気持ち良さそうに寝ている銀時。その姿を恨めしそうに見ていた柚希だったが、何故か不思議な感情が沸き上がってきた事に気付く。
「何だろうこの感じ……なーんか憎めないんだよなぁ」
大の男に言う言葉ではないが、眠っている銀時の顔が何故か可愛く思えているのだ。布団から出てしまっていたためか、一つくしゃみをした銀時にそっと布団をかけてやると、その感情が更に大きくなった。
「考えてみれば、当たり前のように隣に布団を並べても嫌悪感は無かったんだよな~。新八君にも貞操だなんだとは言われた割に、あまり警戒はしてなかったかも」
体が温かくなった事で寝心地が良くなったのか、ますます幸せそうに眠る銀時を柚希はしばらく見つめていた。その顔には銀時と出会ってから初めて見せる、とても優しい笑みが浮かんでいる事に本人は気付いていない。
「それにしても、白い髪って結構珍しいんじゃないのかなぁ? しかもがっつり癖っ毛で」
そう言って、柚希はそっと銀時の髪に手を伸ばす。触れた髪は思っていたよりも柔らかかったようで、柚希の目が大きく開いた。
「やだ、意外とモフモフしてて気持ち良い! 何だろうコレ……そう、犬っころみたいっていうのかなぁ。真っ白いからシロ。シロちゃんって感じ?」
フフッと幸せそうに触り心地を堪能しながら、「シーロちゃん、なんつって」と小さく口にした時だった。
「柚希っ!?」
跳ねるように飛び起きた銀時が突然叫ぶ。思わず驚いて飛び下がった柚希が目にしたのは、目を見開いて柚希を見つめている銀時の姿だった。
「思い出したのか? 柚希!」
「え? 何? 思い出すって何を……」
「今俺の事呼んだだろ!」
「いや、別に呼んでないし。銀時の髪が白くてモフモフしてたから、シロちゃんって言ってみただけで……って言うか、何でそんなに『シロ』にこだわってんの?」
銀時の必死さは、逆に柚希を冷静にさせたようだ。凄まじい剣幕の銀時に気圧される事なく、柚希は落ち着いて尋ねた。
「夕べも言ってたよね。何か深い意味でもあるの? それとも実はNGワードとか?」
「マジかよ……記憶はなくても言う事は同じってか」
柚希の問いから少々ずれた答えを返す銀時の表情は、またしても悲しげな物で。自分がここまでこの男を一喜一憂させる存在だったのかと思うと、柚希は過去の自分が少し羨ましく思えた。