第一章 ~再会~(49P)
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「――じゃあ私も結論を言うわ。あんたから話を聞くまで、私はここにいる」
柚希の言葉をどう受け取ったのか、目をそらすことなくにやりと笑った銀時は言った。
「その結論に至った経緯は?」
「決まってるじゃない。あんたが知ってる話を全て聞きたいから。あとはまぁ、下手に逃げ回るよりもここにいた方が安全だろうし」
「俺が襲っちまうかもしんねーぜ? 良い年した男と女が一つ屋根の下、穏やかに過ごせる保障なんざねぇしよ」
「それは大丈夫でしょ。春雨を相手にするより、あんた一人を相手にした方がよっぽど楽だわ」
銀時の挑発をさらりと流す柚希。その表情は自信に満ち溢れている。
「随分と舐められてんのね、銀さんってば」
「舐めるというより、安心材料を見つけただけよ」
「安心材料?」
不思議そうに首をかしげる銀時だったが、その理由はすぐに分かる事となる。
「銀さん……出先で突然いなくなったから心配して探してたのに……その女性は誰ですか? しかもご丁寧に布団まで敷いて……」
「銀ちゃん不潔アル! そこの女も何でそんなカッコして寝てるアルか。それ、銀ちゃんの寝間着ネ」
たった今外から帰ってきたのであろう銀時の仲間と思しき子供二人が、隣の部屋から覗き込みつつわなわなと震えていた。
「し、新八! 神楽! 誤解だ、これは……」
「暴漢に襲われていたところを助けて頂いたのですが、その後この人にここへ連れ込まれて……くすん」
彼らの大まかな関係を察した柚希がわざとらしくか弱い自分を演出すれば、必然的に銀時は下種な男の立場となる。
「ちょっ! 人聞きの悪い言い方すんな柚希! 大体『くすん』ってなんだよ、ざーとらしい!」
やましい事など無いはずなのに、慌てる姿を見せてしまえばそれは肯定しているのと同じ事となるわけで。
「ぎ~ん~さ~ん~~~!」
「地獄に落ちるネ、この腐れ外道」
「はがぁっ!!」
新八と神楽に殴られ、吹っ飛ぶ銀時。その光景を見ながら柚希は思っていた。
――天人からのボディーガードと、この男からのボディーガード。どちらもゲット
と。
かくして柚希はこの日より、万事屋の居候となった。ボロボロになった銀時から事の経緯を聞いた新八と神楽も、柚希を快く受け入れる。
新八に至っては柚希の貞操を心配し、自宅に部屋を準備しようかとまで言っていた。だがそれには柚希も丁重に断りを入れる。新八に姉がいるという事を聞き、少しでも人を巻き込みたくないという配慮からだった。
それならば新八と神楽も巻き込むまいと思うはずだが、不思議とその考えは浮かばなかったらしい。神楽は一目で野兎の者だと察したが、新八は普通の少年だ。なのに関わりを無くそうとしなかったのは何故か、この時の柚希自身にも分かってはいなかった。
柚希の言葉をどう受け取ったのか、目をそらすことなくにやりと笑った銀時は言った。
「その結論に至った経緯は?」
「決まってるじゃない。あんたが知ってる話を全て聞きたいから。あとはまぁ、下手に逃げ回るよりもここにいた方が安全だろうし」
「俺が襲っちまうかもしんねーぜ? 良い年した男と女が一つ屋根の下、穏やかに過ごせる保障なんざねぇしよ」
「それは大丈夫でしょ。春雨を相手にするより、あんた一人を相手にした方がよっぽど楽だわ」
銀時の挑発をさらりと流す柚希。その表情は自信に満ち溢れている。
「随分と舐められてんのね、銀さんってば」
「舐めるというより、安心材料を見つけただけよ」
「安心材料?」
不思議そうに首をかしげる銀時だったが、その理由はすぐに分かる事となる。
「銀さん……出先で突然いなくなったから心配して探してたのに……その女性は誰ですか? しかもご丁寧に布団まで敷いて……」
「銀ちゃん不潔アル! そこの女も何でそんなカッコして寝てるアルか。それ、銀ちゃんの寝間着ネ」
たった今外から帰ってきたのであろう銀時の仲間と思しき子供二人が、隣の部屋から覗き込みつつわなわなと震えていた。
「し、新八! 神楽! 誤解だ、これは……」
「暴漢に襲われていたところを助けて頂いたのですが、その後この人にここへ連れ込まれて……くすん」
彼らの大まかな関係を察した柚希がわざとらしくか弱い自分を演出すれば、必然的に銀時は下種な男の立場となる。
「ちょっ! 人聞きの悪い言い方すんな柚希! 大体『くすん』ってなんだよ、ざーとらしい!」
やましい事など無いはずなのに、慌てる姿を見せてしまえばそれは肯定しているのと同じ事となるわけで。
「ぎ~ん~さ~ん~~~!」
「地獄に落ちるネ、この腐れ外道」
「はがぁっ!!」
新八と神楽に殴られ、吹っ飛ぶ銀時。その光景を見ながら柚希は思っていた。
――天人からのボディーガードと、この男からのボディーガード。どちらもゲット
と。
かくして柚希はこの日より、万事屋の居候となった。ボロボロになった銀時から事の経緯を聞いた新八と神楽も、柚希を快く受け入れる。
新八に至っては柚希の貞操を心配し、自宅に部屋を準備しようかとまで言っていた。だがそれには柚希も丁重に断りを入れる。新八に姉がいるという事を聞き、少しでも人を巻き込みたくないという配慮からだった。
それならば新八と神楽も巻き込むまいと思うはずだが、不思議とその考えは浮かばなかったらしい。神楽は一目で野兎の者だと察したが、新八は普通の少年だ。なのに関わりを無くそうとしなかったのは何故か、この時の柚希自身にも分かってはいなかった。