第二章 ~松陽~(83P)
名前変換はこちら
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「なーに赤くなってんだか」
「銀時……?」
不機嫌な声に振り向いた柚希の腕を引っ張り立たせた銀時は、高杉と柚希の間に割り込むように立つ。
「こんなガサツな奴でも一応女だもんな。上に乗られたり触られたり、熱く見つめられちゃったりなんかして、ボクちゃんドッキドキってか」
「ちょっと、いきなり何言ってんのよ銀時!」
「柚希も満更じゃなさそうだよな。実はこういうお坊ちゃんタイプが好きだったりして」
「テメェ……馬鹿にしてんのか!?」
「あっれェ? キレちゃうって事はやっぱ図星ですかァ? ったく、ガキってのはこれだから……」
「君も十分ガキですよね、銀時」
「ぶべらァッ!」
不意に頭の上から声が聞こえたと同時に、銀時の体が床へとめり込む。
上半身だけが出た状態の銀時の頭には、大きなコブが出来ていた。
「イッテェ!」
「痛くしたんですよ。ほんと素直じゃ無いですね」
床にめり込んだ銀時を見下ろしているのは、松陽。ずっと子供たちの動向を見守っていたが、銀時の発言が目に余ったのか出張ってきたようだ。
「君の気持ちも分からなくは無いですが、その感情を彼にぶつけるのはお門違いですよ」
「ちょっと親父様。叱るのは良いけど建物に被害を出すのはやめてよね。修理するのも大変なんだから」
「これはすみません。後できちんと銀時に直させますから」
「俺ェ!?」
抗議するように叫んだ銀時だったが、チラリと向けられた松陽の視線に薄ら寒いものを感じ、「はい……」と小さく答える。
銀時の返事を確認した松陽は一つ頷くと高杉の元へと歩み寄り、すぐ隣に座りこんだ。
「先程は柚希をかばってくれてありがとうございました。お陰でこの子が怪我をせずにすみました」
「別に大した事じゃ……」
「自分がどう動けば良いかを瞬時に判断して行動できる君は、将来仲間を率いていく立場にいるかもしれません。今から楽しみですね」
笑顔で松陽に言われ、照れくさくなったのかプイと顔を逸らす高杉。その反応が、褒められたものの素直になれない時の銀時に似ていて、松陽は小さく吹き出した。
「ちなみに先ほどの柚希と銀時の試合を見ていてどう思いましたか?」
くすくすと笑いながら言う松陽に高杉は戸惑う。だが視線を柚希に移し、最後に床にめり込んだまま顔で威嚇してくる銀時を見て、あの試合中に感じていた高揚感が蘇ってきた。
「銀時……?」
不機嫌な声に振り向いた柚希の腕を引っ張り立たせた銀時は、高杉と柚希の間に割り込むように立つ。
「こんなガサツな奴でも一応女だもんな。上に乗られたり触られたり、熱く見つめられちゃったりなんかして、ボクちゃんドッキドキってか」
「ちょっと、いきなり何言ってんのよ銀時!」
「柚希も満更じゃなさそうだよな。実はこういうお坊ちゃんタイプが好きだったりして」
「テメェ……馬鹿にしてんのか!?」
「あっれェ? キレちゃうって事はやっぱ図星ですかァ? ったく、ガキってのはこれだから……」
「君も十分ガキですよね、銀時」
「ぶべらァッ!」
不意に頭の上から声が聞こえたと同時に、銀時の体が床へとめり込む。
上半身だけが出た状態の銀時の頭には、大きなコブが出来ていた。
「イッテェ!」
「痛くしたんですよ。ほんと素直じゃ無いですね」
床にめり込んだ銀時を見下ろしているのは、松陽。ずっと子供たちの動向を見守っていたが、銀時の発言が目に余ったのか出張ってきたようだ。
「君の気持ちも分からなくは無いですが、その感情を彼にぶつけるのはお門違いですよ」
「ちょっと親父様。叱るのは良いけど建物に被害を出すのはやめてよね。修理するのも大変なんだから」
「これはすみません。後できちんと銀時に直させますから」
「俺ェ!?」
抗議するように叫んだ銀時だったが、チラリと向けられた松陽の視線に薄ら寒いものを感じ、「はい……」と小さく答える。
銀時の返事を確認した松陽は一つ頷くと高杉の元へと歩み寄り、すぐ隣に座りこんだ。
「先程は柚希をかばってくれてありがとうございました。お陰でこの子が怪我をせずにすみました」
「別に大した事じゃ……」
「自分がどう動けば良いかを瞬時に判断して行動できる君は、将来仲間を率いていく立場にいるかもしれません。今から楽しみですね」
笑顔で松陽に言われ、照れくさくなったのかプイと顔を逸らす高杉。その反応が、褒められたものの素直になれない時の銀時に似ていて、松陽は小さく吹き出した。
「ちなみに先ほどの柚希と銀時の試合を見ていてどう思いましたか?」
くすくすと笑いながら言う松陽に高杉は戸惑う。だが視線を柚希に移し、最後に床にめり込んだまま顔で威嚇してくる銀時を見て、あの試合中に感じていた高揚感が蘇ってきた。