白銀の世界で
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部屋に残ったのはさくらと月島、鶴見の3人であった。杉元は兵士たちに拘束されたまま連行されていった。床には杉元の頬を貫通した串が一本転がっている。血の付いた串を見て、これからの自分の行く末に恐怖を感じる。
「緊張しなくていい。さあ、茶を飲んで落ち着きなさい。」
猫なで声で鶴見が声をかける。
緊張でのどがカラカラだ。目の前にあるお茶に手をつけ、のどを潤した。鶴見は、先ほどの杉元のときのように、今度はさくらの目の前で肘をついてじっと見つめている。その背後には月島が控え、二人の視線から逃れるように湯飲みの中に視線を落とす。
ここから、どうやって生き延びるか。この鶴見という男、店でもドキッとするような観察眼を持っていた。嘘で塗り固めた話では絶対に気づかれてしまうだろう。杉元と尾形という兵士の関係を隠しながら、未来から来たことを隠しながら、どうやって納得させる話をすべきか・・・。
さくらはうつむき、二人から表情が見えないところで必死に話の道筋を考えた。できるだけ本当のことを交えて、少しの嘘でごまかさなくては。この男に秘密を知られてしまうのは恐ろしい事態を招いてしまう。杉元との様子を見て、それだけは、はっきり分かった。
「さくらくん。君にはいくつか聞きたいことがある。」
そう言った鶴見のほうへ顔を上げた。
「君は金塊についてどこまで知っている?」
「・・・私は金塊なんて知りません。あの雪山で川へ落ちていく兵士に手を伸ばしただけです。」
「杉元とはどこで知り合った?なぜ隠した?そのほうが都合がいいことでもあるのか?」
「その人を助けられず、吹雪で山中を歩いていたところで杉元さんに助けていただきました。」
できるだけ情報は少なく、問われたことだけを必要最低限の内容で答えた。さくらの受け答えに、鶴見は、ほう、と髭を撫でた。
「しかし、その装いで山へ行くとは命知らずな行為だ。なぜ、そんな場所にいた?」
「小樽へは観光で来ていました。眠っていたところで何者かに山中に放置されていました。」
「・・・無傷で?」
「信じられないようなお話とは思います。ですが、事実です。」
さくらの話す内容は筋は通っていても、都合がよすぎる。疑わし気に見る鶴見の視線は少しも和らぐことがなかった。
「君の話が作り話でもそうでないとしても、それを証明する者はここにはいない。」
鶴見は大げさに溜息をついた。
「君には申し訳ないが信じられん。しばらく、ここで話を聞かせてもらう。月島!」
「はい!」
後ろに控えていた月島がさくらの腕をつかんだ。・・・だめだ、このままじゃ閉じ込められる・・・!
「待ってください!・・・持ち物を調べれば、あなたの言うものがないと分かるはずです!」
さくらの必死の訴えに、鶴見は口元を僅かに上げた。
「ならば・・・証明してもらおうか。」
鶴見は月島に目線をよこすと、それに応えるように月島はさくらのコートに手をかけた。コートを脱がされ、ポケットなど確認される。何も入っていないことがわかると、今度はスカートに手を伸ばした。叩くように検査される。現代でも身体検査といえば、このようにするところもあるため、さほど気にはならない。月島が一通りさくらの身体検査を終え、『何か』が出てくることはなかった。スマホは呉服屋に手荷物と一緒に隠してある。『刺青ニンピ』とやらも、もちろん持っているはずがない。
「これでいいでしょう。私は無関係です。」
「いいや、まだだ。月島、袴を脱がせろ。」
ためらうことなく月島はさくらのスカートに手をかけた。
「緊張しなくていい。さあ、茶を飲んで落ち着きなさい。」
猫なで声で鶴見が声をかける。
緊張でのどがカラカラだ。目の前にあるお茶に手をつけ、のどを潤した。鶴見は、先ほどの杉元のときのように、今度はさくらの目の前で肘をついてじっと見つめている。その背後には月島が控え、二人の視線から逃れるように湯飲みの中に視線を落とす。
ここから、どうやって生き延びるか。この鶴見という男、店でもドキッとするような観察眼を持っていた。嘘で塗り固めた話では絶対に気づかれてしまうだろう。杉元と尾形という兵士の関係を隠しながら、未来から来たことを隠しながら、どうやって納得させる話をすべきか・・・。
さくらはうつむき、二人から表情が見えないところで必死に話の道筋を考えた。できるだけ本当のことを交えて、少しの嘘でごまかさなくては。この男に秘密を知られてしまうのは恐ろしい事態を招いてしまう。杉元との様子を見て、それだけは、はっきり分かった。
「さくらくん。君にはいくつか聞きたいことがある。」
そう言った鶴見のほうへ顔を上げた。
「君は金塊についてどこまで知っている?」
「・・・私は金塊なんて知りません。あの雪山で川へ落ちていく兵士に手を伸ばしただけです。」
「杉元とはどこで知り合った?なぜ隠した?そのほうが都合がいいことでもあるのか?」
「その人を助けられず、吹雪で山中を歩いていたところで杉元さんに助けていただきました。」
できるだけ情報は少なく、問われたことだけを必要最低限の内容で答えた。さくらの受け答えに、鶴見は、ほう、と髭を撫でた。
「しかし、その装いで山へ行くとは命知らずな行為だ。なぜ、そんな場所にいた?」
「小樽へは観光で来ていました。眠っていたところで何者かに山中に放置されていました。」
「・・・無傷で?」
「信じられないようなお話とは思います。ですが、事実です。」
さくらの話す内容は筋は通っていても、都合がよすぎる。疑わし気に見る鶴見の視線は少しも和らぐことがなかった。
「君の話が作り話でもそうでないとしても、それを証明する者はここにはいない。」
鶴見は大げさに溜息をついた。
「君には申し訳ないが信じられん。しばらく、ここで話を聞かせてもらう。月島!」
「はい!」
後ろに控えていた月島がさくらの腕をつかんだ。・・・だめだ、このままじゃ閉じ込められる・・・!
「待ってください!・・・持ち物を調べれば、あなたの言うものがないと分かるはずです!」
さくらの必死の訴えに、鶴見は口元を僅かに上げた。
「ならば・・・証明してもらおうか。」
鶴見は月島に目線をよこすと、それに応えるように月島はさくらのコートに手をかけた。コートを脱がされ、ポケットなど確認される。何も入っていないことがわかると、今度はスカートに手を伸ばした。叩くように検査される。現代でも身体検査といえば、このようにするところもあるため、さほど気にはならない。月島が一通りさくらの身体検査を終え、『何か』が出てくることはなかった。スマホは呉服屋に手荷物と一緒に隠してある。『刺青ニンピ』とやらも、もちろん持っているはずがない。
「これでいいでしょう。私は無関係です。」
「いいや、まだだ。月島、袴を脱がせろ。」
ためらうことなく月島はさくらのスカートに手をかけた。