蝶の見る楽園 3.


 顔の造作が整い過ぎているのでそういった表情をされると凄みが出てくる。圧倒されてしまい、言葉すら出せないで股の間に居る勇作を見つめてしまう。
 するとさらに股間をふんどしの上から力を入れて舐めてきて、ざりざりと舌と布が擦り合う音がかすかに聞こえる。
「兄様、ココどうして欲しいか言ってください。でないとこのままですよ。このまま、舐め続けるだけです。それでいいのならいいのですが、助平な兄様では足りないでしょう? 言って、兄様」
「な、舐め、ちょ、直接、な、舐めて欲しいッ……!! チンポ、しゃぶり倒してっ……!!」
 顔がひどく熱くなっているのを感じながら降伏の言葉を述べると、勇作の表情が華やぎ、すぐにやたらと男くさい表情に変わり、早速尾形のふんどしを脱がし始める。
 しかし、ひどく恥ずかしいものだ。
 何度も見られている場所なのに、今に限ってやけに羞恥が激しい。咄嗟にふんどしを掴まえようとするが、するっと勇作の手によってかわされてしまい、布地が肌を離れていく。
「わ……!! すっごく、でっかくなってる……こんな兄様、初めて見るかもしれない。……やっぱり、兄様は助平ですね。ココ、こんなにして……先っぽがぐしょ濡れです。やらしい汁塗れ……美味しそう。兄様、すごく美味しそうですよ」
 最早何も言うことができず、顔だけがさらに熱くなっていく。
「……舐めちゃおうっと。兄様、舐めます。やらしい汁、舐め取りますね。トロトロ……ふふ」
 いちいち宣言などしなくていいものを、まるで尾形の羞恥を煽るかのようなセリフに、また顔に熱が集まる。
 しかし勇作はペニスを持ったが一向に何もしようとしないので少しだけ顔を上げると、欲情を露わにした眼と出会う。
「こっち見ていて、兄様。自分の陰茎が舐められるところ……私が兄様をどういう風に愛するのか、見ていていください。でなければ、舐めない」
 悔しくて涙が出てくる。何故ここまで勇作にイニシアチブを取られなければならないのか。しかし、舐めて欲しいものは舐めて欲しい。
 仕方なく両肘を立てて身体を少しだけ起こしてじっと勇作を見ると漸くその顔に笑みが浮かんだが、ひどく妖艶な笑顔で、思わずのどを鳴らしてしまうと美麗な顔にさらに笑みが拡がる。
「イイコです兄様。イイコ、イイコ……」
 そういった口から真っ赤な舌が出て、しっかりと根元を持ったと思ったら先端に滲み溢れるカウパー液の上に舌を置き、わざとだろう糸を引くように顔を後ろに動かすことで見事に銀糸ができあがり、それを辿るようにしてさらに舌を出し、ぺちゃっと音を立てて亀頭に舌が置かれる。そこで細かく舌の先端を動かし、鈴口を嬲るとぶわっと快感がそこから湧き出て、思わず「あうっ!!」と声が出てしまう。
「気持ちイイ……? 兄様、イイ? イイって言ってください」
 もう、恥もなにもない。舐めしゃぶって欲しい。ヤれるならヤれるだけヤってしまって欲しい。
「い、イイッ……! 良すぎて、困るくらいイイッ……!! はあっはあっ、イイッ……!!」
 一度言ってしまうと言葉は止まらず、さらに恥ずかしい言葉が口を突いて出る。
「も、っとシて。べちゃべちゃに舐めて欲しいッ……! は、ああっ、イイからもっと、もっともっと、もっと欲しい。勇作、殿ッ、もっとッ!! もっとッ!!」
 すると、勇作は満足がいったような表情を浮かべ、口元を歪ませながら淫乱を絵に描いたような笑みを浮かべると、美麗な顔が凄みを増し片手で亀頭を潰すように握ってきた。
「うあぁっ!! あああああああああ!!」
「兄様がイイコだから、もっとイイコトしてあげます。かわいいかわいい私の兄様……大好きで淫乱な、私の兄様……好き」
 ちゅっと先端に勇作の形のいい薄い唇が押し当たり、ぢゅっと音を立てて鈴口に吸いつかれてしまい、カウパー液を吸い上げたのだろうごぐごぐとのどの鳴る音がして、吸い終わるとそのままゆっくりゆっくりと、時間をかけてじっくり味わうように先端からカリにかけて勇作の口へ吸い込まれるようにしてペニスが飲み込まれていく。
 その様は見ていてもとても卑猥で、やらしくそして、淫乱さを極めており、思わず顔を背けようとすると上目遣いで尾形を見ていた勇作の眼が吊り上がる。どうやら、それはいけないらしい。
 顔に熱を上げたまま、尾形は自分のペニスがいい様に舐められている様を見なければならない羽目になったが、これはこれで興奮してきている自分もいて、つい呼吸が早く浅くなり、胸の上下も激しくなる。
 もうこうなったらとことんまでヤって欲しい。ヤれるものならヤってみろという気概を持って見つめていると、亀頭の辺りで細かくピストンされ、そこからぶわっと快感が背を駆け上がり「あはああっ!!」と首を反らせて恥ずかしい喘ぎ声が飛び出てしまう。
「あ、はあっはあっはあっはあっ、んっんっ、気持ちイイッ……!!」
 自分が快楽に弱い方だとは知っていたが、ここで発揮されなくてもいいと思う。
 勇作はさらに気を良くしたようで、舌を出して亀頭ばかりを狙いぺちゃぺちゃと音を立てつつ溢れ出るカウパー液を舐め取るように舌を使ってきて尾形を悶絶させる。
「兄様の助平汁、すごく美味しい。もっとください、私にくれませんか? 兄様の感じてるっていう証拠の助平な汁がたくさん欲しい」
 もはや言葉だけでクる。何故こんなに助平な言葉ばかり思いつくのか知らないが、煽られる。そして、強請ってしまうのだ。
「ん……もっと舐めてくれたら、出ますよ。勇作殿次第でしょう? 俺の助平汁、欲しかったら頑張らないとだめですね」
 精一杯の虚勢を張ると、勇作は妖艶な笑みを浮かべ舌を出してぺちゃっと尾形のペニスを一舐めすると、こんなことを言い出した。
「やってみせましょうか。兄様の助平な汁、もっと欲しいし……感じてる兄様、きれいで大好き」
 両頬を真っ赤に染め、それに負けないくらい赤い舌が早速亀頭を這い回るように動き出す。するとみるみるうちにカウパー液が先端の小さな孔から溢れ出し、こぷこぷと先端から盛り上がるソレを、勇作はさも美味そうに舌を出して舐め取っていく。
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