空を泳ぐ鯨 2.
唇が離れていき、思わず眼を開くと勇作が満足げな笑みを浮かべつつ、ふわっふわの舌でぱんぱんに膨らんだ乳首をゆっくりと舐めた。
「兄様、ごめんなさい。血豆ができてしまいました。……でも、許してくれますよね。だってすごく気持ちよさそうにしてますし、好きでしょう? こうされるの」
「はあっは、はあっはあっ、下手くそっ……! 飴をください。飴が欲しい。優しく舐めて欲しい。下手くそでもそれはできるでしょう?」
意地悪く笑ってみせると、勇作が頬を真っ赤に染めてまた乳首を柔らかく舐めた。
「やっぱり、好きだなあ……兄様に、下手って言われるの。じゃあ、下手なりに兄様のコト気持ち良くしちゃう。今からは、飴の時間ですよ。存分に善がってくださいね。かわいい声、聞きたいです」
「な、にがっ、かわいい声っ……!!」
負け惜しみでそう言うが、本当に下手とは思っていない。ただ勇作を煽るための文句で、実際、勇作は上手いと思う。初めてする愛撫とは思えないほどに、勇作は巧みに舌を使うし手も使ってくる。
全身使って愛撫してくれているのが分かるから、例え本当に下手くそだとしてもきっと、感じてしまうのだと思う。
勇作の舌は真っ赤に腫れ上がった乳首の上に置かれ、燃えそうに熱い舌はじっとりと時間をかけて乳首の上を滑り、あまりの快感に身体が勝手にピクンッと跳ねてしまい、少し背が反る。
するとまた同じことをしてきて、やはり尾形も同じ反応を示して身体を跳ねさせ、そして捩らせながら飴という名の愛撫に溺れる。
「はああっ、はあっはあっはあっはあっはあっはあっ、うっあっ、い、イクッ……!! だめそんなにされたらイクッ……!! ああ、ああっ、気持ちいっ、気持ちいっ!! あっあああっ!!」
さらに息が上がってきて、勇作が与えてくれる快感にしっかりと酔いしれてしまう。
何しろ、噛まれた後の癒しの飴は気持ちが良すぎる。蕩けるような快感は身体中を巡り、全身に快感を与えつつ、最後には股間に快楽が集中し、イキの波がやってくるようになる。
じっくりと責められるのは元から好きだったので、今のこの快感はたまらないものがある。痛かった乳首は舐められるのも初めは痛いが、今は敏感になり過ぎた乳首をこれ以上なく優しく舐められ、面白いくらいに感じてしまっている自分がいる。
身体が勝手に舐められるたびにビグビグピクピクと跳ねてしまい、そのたびごとに飴という愛撫は丁寧さを増し、ゆっくりじっくりと責めてくる。
舐め方一つとっても、飴の時は柔らかで、ずるりと眠っていた官能が呼び起こされるような舐め方をしてくる。
舌には絶対に力を入れず、元から柔らかな舌でちゅばっと乳輪に吸いついてきて咥内で優しく唾液のぬるつきを利用して舌をべろべろに這わせたり、痛んだ乳首を慰めるかのようにそろっと舐めたりと、様々な愛撫で尾形を蕩かしそして射精を促してくる。
こうなってくると時間の問題で、既に身体の射精準備はできている。あとはなにか刺激があれば、それだけでイけるだろう。
「はあっあはっ、あはっあはっ、あはあぁっ……! ああ、ああイク、イク、ホントに、イクッ……!! き、気持ちいっ!! あっあっ、ああああああああイックううううっ!! やっあっ! やああイック、イクイクッ!!」
必死に身を捩らせると身体を掻き抱かれ、逃れられないようにしてまた乳首にふんわりと舌が乗る。
「ゆ、ゆ、さくっ……!! い、イクイクッ!! そんなことされたらイクッ!! ああああだめえええイックううううっ!! はあっはあっはあっはあっ、き、気持ちが良すぎるッ……!! だめええっ!! あああああ!!」
ペニスがジャンプを始めている。股間に熱が集中し始め、とうとう本格的な射精感が尾形に襲い掛かってきているが、勇作が愛撫の手を止めるわけもなくさらに優しく舌が痛んだ乳首に這い回り、乳輪共々優しく吸われたり、舌先でれろれろと乳首だけを刺激してきたりと、とにかくたまらない快感が次から次へと尾形に射精を強いるように動き回る。
するとますます股間は猛りを増し、二人の身体の間に挟まっているペニスが引っ切り無しに跳ね始める。
絶頂はもうすぐだ。
「はあっはあっ、い、イクッ……!! も、いいからイクッ……!! イキたいっ、ああああイックううううっ!!」
「ん、兄様イク? いいですよ、イってもらって。乳首だけでイっちゃう兄様、かわいい。かわいい人にはご褒美です」
「ごほう、び……? ひあっ!! あああああああああ!!」
柔らかく舐められていた乳首だったが、突然激痛に見舞われ右の乳首が噛み千切られんばかりの勢いで責められ、じんじんじんじんと痛みと快感が襲い掛かり、それらの刺激はすべて股間へと持っていかれ、頭の中が真っ白に染まり目の前がチカチカと光る。
とうとう、待ちに待った射精の時だ。
「うああっ、あああああううううううイック、イックイック、イクイクイクイクイクイクイクイクッ!! ああああああああイックうううううっうああっあああああああっあああああああー!! うああっ、ひああああああ!!」
一気にペニスに快感が集まり、爆発したその瞬間だった。一度も触っていないペニスからザーメンが勢いよく飛び、何度にも分けてのそれは尾形に最高の快楽を運んできてくれる。
「あああっ!! ああああああああイってる、イってるイってるイってるッ!! うああっ、ああああああああ気持ちイイイイイイッ!! ああああイイイイイイイイイイイイー!! イイッ、ああああイイイイイイイッ、うぐああああああああっ!! ああああああああー!!」
身体が勝手に跳ね捩れ、ベッドがギシギシと音を立てる。だがそれでも勇作は止まらず、今度は優しく乳首を舐めしゃぶってきて、その飴と鞭の使い分けの上手さに感じて連続イキしてしまい、身体がギグギグと傾げ、さらなるザーメンが鈴口から発射される。
「ああああっ!! うああっ、あああううううううううまたっ、またイってるっ!! い、い、イってるよおお!! あああああああ気持ちいっ、気持ちいっ!! ああああああっイイイイイイイイイイー!! はああっ、はああああああああああー!!」
びゅっびゅっと勢いよく吐き出されるザーメンは尾形と勇作の身体に飛び、熱いくらいの液体が胎の上で押し潰され、ねちょねちょといった粘着質な音を立てつつ、さらに飛ぶ。
「んあああっ!! あああああっ、うあああああああ!! やだっ、未だ出るっ、出る出るっ!! でっあっあああああああー!! うああっあああああああああああ!!」
乳首を口のナカで優しく転がされ、あまりの快感にさらにザーメンが飛ぶ。
首を打ち振り、必死になって喘ぎながら身体を捩らせる尾形だが、情熱的な勇作の愛撫は止まることを知らず、両方の乳首を交互にしゃぶり始め、またここでも悶えてしまい、イっているのにまたイってしまう。
これで三回連続イキだ。
「んああああああううううううっ!! イック、イック、イック、イックううううううっうううううっ、ああああああああだめえええええっ!! イックううううっああっああっあっあっあああああああー!! あああっ!!」
大量には飛ばなかったが、射精による快感は充分に伝わってくる。気持ちが良すぎて頭がぼーっとしてきてしまう。