空を泳ぐ鯨 2.


 両腕を勇作の首に絡め、自分から口づけを強請りつつ、腰はまるで叩きつけるように一撃一撃が重く、その所為か奥の感じるところにブチ当たり、そのたびに身体がビグンッビグンッと跳ねてしまう。
「あああっ!! 奥、奥当たるっ!! あああああっ!! はああっ、はああああ気持ちイイッ……!! ああっああっ、い、イイッ、イイッ!! あっあっあっああっああっああっああっあああっ!!」
 そのうちに本格的なガン掘りに切り替わり、身体を起こした勇作に上腕部を掴まれ、そしてベッドに押しつけられながらの乱暴な責めに興奮が隠せない。
「あああっ、あああああッ!! あああああああっ!! だめ、だめだめ気持ちイイッ!! あっあっ、イイイッ!! あっ、だめ、だめだめだめだめまたイクッ!! イっちゃうっイク!! イクッイック、イクイクイクイクイクイクッ!! ああああだめええええええ気持ちイイイイイイッ!!」
「はあっはあっ、あにさま、兄様、だめです私もイクッ……! イキそうっ……!! ああああだめだ、だめだめ、ああああ気持ちイイッ!! はあっはあっはあっはあっ、はっはっはっはっはっはっ、はあっはあっ!! だめイクッ!!」
 さらに激しく、乱雑になる腰使い。先ほどとは比べ物にならないほどにめちゃくちゃになった二人は必死で互いの身体を高め合い絶頂へと導いていく。
 射精はもう、目の前まで来ている。
「あああだめだめだめだめ、もうイクッ! い、い、イクッ!! 勇作もッ!! 勇作も一緒に、一緒にイって!! イって、イって、イって!! ああっああっ、イクッイクッ!! イクよおおおお!!」
 そうやって叫ぶと、急に勇作が屈み込んできて軽いキスを何度も送られ、また身体を起こして今度こそ最後のガン掘りだ。
 めちゃめちゃに揺さぶられ、眼の前で快楽に歪む勇作の顔をじっと見ながら射精のタイミングを考え、身体の調節を行う。
 勇作も相当我慢しているようで、未だ尾形の身体を味わい足りないのか必死になって腰を動かしている。
 だが、なんにでも限界は来る。
「あぁっ……!! 兄様だめです、だめですもうイクッ……!! はあっはあっ、ナカ、出してもいい? ナカに出したい!! 兄様のナカ出して、私のモノだって、そうやって思いたい。いい? 兄様、ナカ、中出すっ!! 意見は聞かない、中に出すっ!! はあっはあっ、ああっああっ、いい、イクッ……!! ああああああああああイックううううううっ!!」
 勇作の身体がブルブルッと大きく目に見えて震え始める。それを追い、尾形も身体を解放してやると一気に射精感が身体を支配し、イキの波へと飲み込まれる。
「中出してっ!! 中出ししてっ!! はあっはあっ、俺もイクッ……!! ああああだめええええええイックうううううっ!! ああああああイック、イック、イック、イックうううううっ、ああっあああっあっあっあああああー!!」
「私も、イクッ!! あっあっあああっああっあっあああああああー!! イックうううううっああああああああー!!」
 同時にビグビグと跳ね上がる二つの身体。尾形は胎内に感じる熱い飛沫にさらに感じてしまって、最後は男イキでイってしまい、ザーメンは自分の身体と勇作の身体にブチ撒けられ、勇作の吐き出したザーメンは宣言通り、尾形の胎内へと勢いをつけて飛び散り、そしてナカで拡がり続ける。
 その快感を受け止めつつ、射精の余韻にどっぷりと浸り切る。
「あは、あは、あはあああああああー……! あああ、あああうううううイった、も、出ないっ……!! はああっ、はああああああああんんんん気持ちイイッ……!!」
「はあっはあっ、あにさま、兄様キスを、あにさまっ」
 舌を出した勇作が迫ってきたので尾形も半分意識を無くしながら舌を出すと、そのまま唇を塞がれてしまい、咥内で舌と舌が擦り合わされ、摩擦で生じる熱を心地よく感じながら柔らかな舌の感触を愉しみ、散々擦り合わせて絡ませてから唇を離し、そしてまた名残り惜しく口づけることを何度繰り返しただろうか。
 セックスの甘い余韻は今も続いていて、勇作はしきりに尾形とキスしたがり、それに応える形で尾形も勇作と唇を合わせる。
「ん、んっ……や、ぁっ……キスばっかりっ……!」
 いい加減しつこく感じ、文句を言い渡すが勇作はキスは止めてくれたが頬ずりを始めてしまい、しきりに尾形の頬へ顔を寄せてくる。 
 因みに、ペニスは尾形の腰が動き回った所為で抜けている。胎のナカが空っぽになった感じがする上にアナルもじんじんとして疼き、苦々しい気分になるが勇作は逆に満たされたような声色でこんなことを言ってきた。
「あにさま、大好き! はあっ、セックスしちゃった……。初めての体験だったけど、シて良かった……今も、はあっ、気持ちイイ……」
「俺も、相当良かったです。こんなセックスは初めてかも」
 勇作は尾形の鎖骨近くに頭を置いていて、上目遣いで見つめてくるので見つめ返すとふわっと、勇作がきれいに笑い、さらに擦り寄ってくる。
「あにさま、兄様……私たち、ずっと一緒ですよね。傍に居てくれるって言ってくれた。ずっと傍に、居てくれるって兄差は言った。信じています、いいんですよね、信じても。……幸せ……」
「……勇作殿。俺は……」
 言葉に詰まる。何を言えばいいのだろうか。傍に居るとは確かに言ったが、それは勇作を慰める方便のようなもので、本気半分そして嘘半分のその言葉を勇作は信じると言う。
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