空を泳ぐ鯨 2.


 勇作の腕はしっかりと尾形の身体に回り落ちないようになっているので安心して身を預けられる。そのおかげでキスにも集中できるし、責め立てにも夢中になれる。
 これがまた、相当に気持ちイイ体位なのだ。
「あはああああっ!! ああっああっああっああっああっああっああっああっ!! うああああああああまたイクッ、イック、イック、イックイックイクイクイクイクッ!! ああああだめええええええ!!」
 かなり力強く腰を使われている。その所為か、やけにGスポットにペニスが掠める気がするのだ。運がいいとごりっとブチ当たることもある。それがまた新たな快感を呼び、尾形にイキを強いてくる。
 既にイキやすくなっている身体だ。火をつけることはそう難儀なわけでもなく、あっという間にイキの波が襲い掛かってくる。
 唇を合わせながら喘ぐため、甘い声はすべて勇作の口のナカへと消えるが勇作は関係なく唇を吸ってきて、身体に回した腕にも力が籠められ実際、苦しいほどだがそれがまた気持ちイイ。
 何もかもが、すべて快感に変わる気がする。いま交わしているキスも、身体のナカで暴れ回るペニスも、身体を支える腕も何もかもが愛おしくて仕方がない。
 それらはすべて快感という形で身体に吸収され、さらにイキを促されているような気になってくる。
 絶頂はもはや目前だ。
 何度もナカイキをしているので、ペニスを刺激してのイキもいいものだと思い、勇作の手を股間に誘導させるとすぐにでも尾形が何を欲しているか分かったのだろう、ペニスに勇作の手がかかり亀頭を握られ、先端だけ扱き上げられる。
 眼の前がチカチカするような激しい快楽に、大声を出して啼いてしまう。
「うあああああっ!! あああっ、あああううううううっ、イック、イック、あああああああああイックうううううっ!! ヤあっあああああああああイックイック、イクイクイクイクイクイクイクイクッ!! ああああああああああ!!」
「イって、あにさま、兄様イって!! 私の手で、兄様をイかせたい!! イって、大好きだからイって兄様っ!! あにさまっ!!」
 ぎゅううっと痛いくらいに亀頭を握られ、そこで漸く痛みと共に解放がやってくる。
 目の前が真っ白にスパークし、頭の中からなにもかもを吹っ飛ばし、とうとう男イキしてしまう。
「あああああっ!! あああ、んああああああああイック、イック、イック、イックううううううっ!! あああっああっああっああっああっ、イック、イック、イクイクイクイクイクイクイクイク、イックうううううっ、ああっあっあああっあっ、ああああああああああー!!」
 身体がビッグンと大きく跳ね、そのまま捩れるようにして勝手に身体が動くと同時にザーメンが吐き出され、それは尾形の胎の上に飛びたくり、ごしごしと勇作が容赦なく扱くことによってさらにまたイキを重ねてしまい、第二波になる連続イキを体験してしまう。
「あああああああっ!! ああああまたイクッ!!またっ、またイクッ!! イっちまうううううっ!! ああああああああ!! うあああっ、あああああああイクイクイクイクイクイクイクイク、イックうううううっ!! あああっああっあっあっあああああああー!!」
 ドビュッとものすごい勢いで吐き出されたザーメンは今度は勇作の顔にまで飛び、ザーメンでぐしゅ濡れの身体を揺らしつつ、身体をひくひくと戦慄かせてイキの快感に浸る。
「あは、あは、あはああああああー……!! また、またイった……何度も、イった……!! はああ、き、気持ちいっ……!! うあああっ、未だ気持ちイイッ……!!」
 快感は身体から出て行くことはせず、尾形のナカに居座り続けさらなる快感を欲してしまう。どこまでも快楽に貪欲で、笑ってしまうほどだ。
 けれど、笑いごとでもなんでもなく、欲しいと思う。快感が未だ足りない。イキ足りない。それは行動に現れ、息も整わないうちに勇作の上から退いた尾形は、そのままベッドの上で四つん這いになる。
「はあっはあっ、今度は……後ろからがいい。バシバシ突いて欲しい。できますか。ん、はあっはあっ、だめ興奮する。勇作、勇作早く!! 早く挿れて揺さぶって!!」
「あ、あにさま……!! すご、すごすぎるっ……!!」
 唖然とした勇作の声が聞こえたが、無視をして腰を揺らすとすぐにでも後ろに勇作が回り、アナルにピタリ熱い塊が押しつけられ、一気に刺し貫かれる。そして、激しい律動が始まった。
「あああっ!! あああああああー!! うああああっ、うあああうううううう気持ちイイイイイッ!! ああっああっ、イイッ、イイッ、イイッ、イイよおおおお!! うあっ!! 奥までッ、入るッ……!! 入ってくるう!!」
 その動きに容赦はなく、勇作の手は尾形の足の付け根に添えられ、がしがしと遠慮なく腰を使われ、悶絶の尾形だ。
 バックはアナルの位置からいっても相当奥まで入る上、Gスポットにも刺激が与えられやすい。
 夢中になって喘いでしまう。
「はああっ!! はああああああんんんんんっ!! ああっああっ、突いてっ、もっと、もっと突いて、突きまくって!! はあっはあっ!! あっあっあっあっあっあっあ!! ああっああっ、気持ちいっ、気持ちいっ!! や、だあああ気持ちイイイイイイイッ!!」
「あにさま、あにさまッ、私もイイッ!! すごく、すっごくイイッ!! 蕩けるッ、身体が、溶けてしまいそうっ……!! はあっはあっ、兄様、兄様あにさま、あにさまぁっ!!」
 とうとうガン掘りに切り替えたらしく、視界がブレるほどに激しく突かれてしまい、またイキの波がやってくる。
 こうなってくると、イクのは至極簡単になり連続イキもそうだが、身体が勝手にイってしまうのだ。これを待っていた。一度、絶倫の男とセックスしたことがあるが、この時以外そういったイキに出会ったことが無かったのでまさか、勇作でこの最高のイキが味わえるとは思ってもみなかった。
 満ち足りた気分を胸に、後ろに手を伸ばして勇作の手に添え、気持ちよく啼き叫ぶ。絶頂はもうすぐ目の前だ。
「あはああっ!! あああっああっああっああっああっ!! あっあっあっあっあっあっ。はあっはあっはあっはあっ、い、イクッ……!! あああああイックううううううっ!! だめホントにイク、イク、イク、イックううううっ!!」
 正面を向き、腕を立てると両肩に勇作の手がかかり、結合を深くされた上でさらにがつがつと貪るように腰を動かされ、早速イキの波が襲い掛かってくる。
 アナルにペニスが叩きつけられるたびに「あっあっあっあっ!!」と声が出て、勇作にも容赦がないものだからかなり強く腰を使われるのでそれに対しても声が出る上、叩きつける力にも加減が無いのでいやでも大きな喘ぎ声が出る。
 しかし、感じてしまうと思う。ひどく感じてしまっている自分がいる。
 そう思うとさらにイキの感覚が強くなり、ひどく啼いてしまう。
「ああああっ!! あっあっあっあっあっあっあっあっ!! ああっ、あっくうううううイック、イックうううううっ、イクイクイクイクイクイクイクイクッ!! だめあああああああイックうううううっ!! ああああああああ、いやだっだめイクッ!!」
 さらに苛烈を増す腰使い。
 勇作は頭上で息を荒くして、しきりに尾形をイキに押し上げようとしてくる。
「イって! あにさまイって!! 兄様のイってる声聞きたいからイって!! イってってばイって!! イって!! 百之助イって!!」
 名を呼ばれた。いま確実に、勇作は自身の名を呼び捨てにした。そこで一気に射精感が盛り上がり、とうとう絶頂にまで達してしまう尾形だ。
 下半身に快感が集まり、それはザーメンという形で吐き出されてくる。
「あうああああああっ!! あああっ、あああうううううううイック、イック、イックうううううっ!! ああああああっ、うああああああイクイクイクイクイクイクイク、あああああああイックうううううっ、あああっあっあっあっあっあああああああああああー!!」
 腰と身体が同時にビッグンと大きく跳ね、腰はそのままガクガクと前後に動きながらザーメンをベッドの上にブチ撒け、何度にも分けてのそれは尾形に多大なる快感を運んでくる。
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