空を泳ぐ鯨 2.
尾形からも唇に吸いつき、勇作に付き合ってやるつもりで舌を舐めるとすぐにでも絡め取られて唾液がぢゅっと音を立てて吸い取られ、ごぐごぐっと大きく勇作ののどが鳴る。
「んはああっ……はあっ、あにさま……気持ちイイ」
「じゃ、もっとしてあげないと。ね? エッチな勇作殿は未だ足りないでしょう、こんなんじゃ。ほら、放して……」
「あにさま、好き……」
もう一度口づけを交わし、頭を屈めてペニスを持ち、フェラチオに逆戻りだ。
咥内で掻き回すようにしながらストロークを繰り返しつつ、捻りも入れて口のナカのペニスを噛まないようにもぐもぐと動かす。
その際、がぼがぼと下品な音が立つがそれもまた、興奮材料になる。さらに激しく頭と口を動かし責め立ててやると、頭上から荒い息が聞こえ勇作もかなり興奮していることが知れる。
一応いろいろな男のペニスは咥えてきているのでこれくらいはできる。だが、勇作のベンチタイムがまた始まり、両手で顔を持ち上げられてキスに持ち込まれる。
「んんむうっ……ん、ん、ゆ、さくっ……! んっんっ、んはっ」
「はあっはあっ、あにさま、はあっはっはっ、はああっ……!!」
思い切り唇を吸われ、溢れ出てくる唾液はすべて勇作に持っていかれてしまい、口のナカが干上がる頃、するっと咥内に舌が入り込んでくると同時ほどにこぽっとこってりとした甘くて生温い液体が送り込まれてきた。
勇作の唾液だ。かなりの甘さを孕んだそれは中毒になりそうなほどに美味く、ごぐごぐと音を立てて飲むとふわっと鼻の奥から勇作の甘い味とにおいが立ち上って気持ちがよく、さらに欲しくなってしまい、積極的に勇作との口づけに夢中になっていると今がフェラチオの最中だということに気づき、唇を離してまたフェラチオに戻ろうとするが勇作はそれよりもキスがしたいらしい。
頬を包んでいる両手が離れてくれない。
それならそれで、勇作とのキスはきらいではない尾形だ。寧ろ、もっと唾液が欲しい。
「勇作殿のヨダレ……すごく美味しい。……俺に、くれませんか。ちょうだい……!」
そう言って口を開けると、トロッと白く濁った唾液が出した舌の上に零し落とされ、のどを鳴らして飲み下すと、それは嬉しそうに勇作が笑い、赤かった頬がさらに赤くなる。
「ああ、あにさま、兄様……!! 大好き、好きです、好き……もっとキスしたい。私にも兄様のヨダレが欲しい」
その言葉に応えるよう、身体を伸ばして膝立ちになって口から唾液を零す。その間も、ずっと手は勇作のペニスを扱き上げており、休む間を与えない尾形だ。
どうやら勇作はかなり興奮しているようで、息がかなり荒く甘い。眼は潤んで、今にも涙が落っこちそうになっている。唇は真っ赤に染まっててらてらと光り、何ともいやらしい様だ。
だが、その顔が尾形の興奮を呼ぶ。普段は見せないであろう、勇作の秘密の顔。そう思うだけで、もう充分にイクことができそうだ。
その美味そうな唇に吸いつき、更なる唾液を送りつけると、うっとりとした表情でごぐっごぐっとのどを大きく鳴らし唾液を飲み込んでいる様子。
それを見届け、唇を吸いながら放し、その唇は一度鎖骨へ置いて手は休めないまま捻りを入れながら動かしつつ、乳首にしゃぶりつく。
「はああっ!! ああっああっ、兄様、あにさまっ!! だめ、ああっ!!」
「だめでは、ないでしょう? この淫乱」
しっかりと言葉でいじめ、公平に右と左の乳首を交互に舐め、こりこりと噛むとビグビグッと勇作の身体が跳ねる。
「ああっああっ!! だめっ、だめ兄様っ!! だめぇっ!!」
「やーらしい、勇作殿。でもそこがかわいいかな。あなただって俺のことは言えない程にかわいいですよ」
「はあっはあ、兄様、あにさまキスを……キスしたい。兄様と、たくさんキスがしたい……!! キス、キスッ……!!」
「困った弟です」
そうはいいつつも、勇作と交わすキスは好きな尾形だ。身体を伸ばして膝立ちになり、勇作のすべすべとしていてもしっとりと潤うような極上の肌に手を這わせながら舌と舌とを擦り合わせ、唇を吸い合う口づけはどちらにも官能を運んできて、ますます大胆に舌を使って勇作の舌と絡めると、絡め返され二人でまるで競争のようにして絡めたり絡められたりしながら互いの咥内を愛し、そして行為に溺れていく。
その頃には尾形のペニスはもちろんのこと、勇作のペニスは暴発寸前ではないかと思われるほどに膨らんでおり、挿入を今か今かと待ち侘びている様子。
唇が離れるなり、二人は無言で尾形は仰向けにベッドに横たわり足をM字に開く。そして勇作は尾形の足の間に身体を置き、ペニスを陰部へと擦り付けてくる。
「はあっはあっ、んっはあっ、あにさまっ……!!」
「は、はあっ……勇作殿、挿れて……挿れていいんですよ。んっ、は、はあっ、興奮する。すごく、興奮してる。勇作殿の童貞が早く欲しい。挿れて……! ナカ、挿れて……!!」
「待って、その前にキスを……!」
身を屈め、びちびちと尾形の会陰やペニス、アナルにペニスを擦りつけながらキスしてくる勇作は、まるで慣れ切った遊んでいる男のようだが、興奮していることは分かる。
酷く興奮しているので、きっと気持ちのやり場にも困っているのだろうと察せられる。そのまま腕を首に巻きつけ、さらに強請ることにする。
「挿れて、勇作……挿れて、おねがいチンポ挿れて……デカチン欲しい」
再度おねがいすると、ぢゅううっと唇を吸われると同時に、ぴたりとアナルに熱い塊が押しつけられ、ぐぐっと先端が入り込んでくる。
「ああっ、あぐううううっ……!! んあああああああー……!! あああう来たっ、来たぁっ……!! で、でっかいっ、うああっ!! ああああああああ!!」
先ほどしっかりと解してくれたため、アナルはかなり緩んでいる様子でずぶずぶとピストンを加えながら挿れられるペニスを従順に迎え入れてくれている。
「はあっ、はあっはあっはあっはあっはあっはあっ、兄様のナカ、入っちゃった……!! 挿れ、ちゃった……!! うあぁっ、気持ちいっ……!!」
だが、こんなものではないだろう。さらに強請りの言葉を口にする。
「んっ、奥まで……挿れて。ずぶって、ずぶずぶずぶって、挿れてっ……!! そのデカチン、根元まで挿れてっ!」
「あにさま、加減がっ……!!」
いい加減イライラとしてくる。欲しいものを早くくれない勇作が悪い。
「加減なんて必要ないから、挿れてっ!! 挿れてくれないと……!!」
言葉は途中で途切れ、またキスされたと思ったら先ほどよりもかなり勢いよくずぶっとペニスが入り、その後は休むことなく奥へと向かって極太が胎内を犯してくる。
その圧倒的快感に、思わず背を反らせてしまう。
「あうああああああ……!! すごい、でっかいのが来るぅっ……!! はあっはあっ、い、イイッ……気持ちイイッ……!!」
ペニスはさらに奥深くを目指して突き進み続け、最後にずんっと強く腰を使われたことで勇作と尾形の身体がくっ付き、瞑っていた眼を開けるとそこには淫靡な笑みを浮かべた勇作が、腕を立てて尾形を上から見つめてくる。
「はあっ、最後まで、挿れちゃった。兄様のナカ、すっごくきつくて狭くて熱くて気持ちイイッ……!! はあっ、童貞……捧げてしまいました」
「んんっ、はあっ……俺も、気持ちイイ……こんなに満たされたと感じるのは、初めてで……幸せ。動いて、動いてください。好きに、揺さぶって……俺を、好きにして」
そう言うなり、いきなり激しく腰を使って揺さぶられてしまい、足が勝手に勇作を挟むように持ち上がってしまう。
「はあっはあっはあっはあっ、ふっふっふっふっ、はっはあっはあっはあっ、兄様、あにさまっ!!」
「あっあっ、ゆうさくっ、勇作ッ! い、イイッ!! あっあっ、イイッ、イイッ!! ああああ!!」
随分と余裕のない腰つきで、勇作が責め立ててくる。それは童貞らしい慣れない動きだったが、快感は充分に感じ取れる。